ミシュランの弱点だったアイスバーン性能が劇的に向上していた~

これまでミシュランのスタッドレスタイヤはずっと「アイスバーン性能がダメ」と書いてきた。いつも私が味見に使っている越後湯沢のアイスブリッジ(夜間は散いていた水が凍りミラーバーンになる。しかも下り坂!)で、ブリヂストンとヨコハマは何とか走れるものの、ミシュランだと”ほぼ”コントロールできないほど。圧雪路に付いちゃ国産ブランド並に良かったですが。

しかし! 2017年シーズンに発表され、今シーズンは大幅にサイズを拡充してきた『Xアイス3+』というタイヤ、今までと全く違う。良くなった、という話を聞いては言たのだけれど、最近どんなクルマ&製品でも褒めるところから入ってくるだけに信用していなかった次第。実際、90%くらい紹介記事と実際の印象が違います。特に褒めるのが基本となってるタイヤって怪しい。

おっとミシュランでした。夏タイヤは素晴らしいと思うのだけれど、スタッドレスタイヤについちゃ開発部隊の規模がブリヂストンやヨコハマより小さく、性能で劣るのも致し方なかった。しかし! Xアイス3+からミシュランも発泡ゴム(正確に表現すると少し違う。後で説明します)を採用してきたのである。やはりアイスバーンでグリップ力を生み出すのは発泡ゴムです。

ミシュランの場合、ブリジストンやヨコハマと少し技術アプローチが違う。日本勢はタイヤのトレッドゴムの中に熱で気体になる”素材”を混ぜ、生産工程の最後にある「加硫」時にスポンジのような穴を作る。ブリジストンは横長の青虫のような穴。ヨコハマだと風船のバブルのような穴です。ミシュランの「穴」ができるの、加硫時じゃない。ゴムの中に細かい「粉」を混ぜ込む。

この粉、水で溶け穴になるという。なるほど、とヒザを打つ。雨の中を走ると発泡ゴムと同じくスポンジのような特性になるワケ。けっこう優れた吸水性能を持つようで、それまでのXアイスと全く違うレベルのアイスバーン性能になった。もはや日本勢と比べられるレベルと言って良かろう。ということでXアイス3+ならミシュラン好き以外にも十分おすすめできると考えます。

ブリジストンとヨコハマのスタッドレスタイヤも舗装路の走行性能を向上させミシュランに肉薄したら、今度はミシュランがアイスバーン性能を上げてきました。この3銘柄、好きなブランドで選べばいいと考える。国沢光宏はミシュラン嫌いだと思っている人もいるようだけれど、そら全く違う。スタッドレスタイヤについちゃアイスバーン性能がイマイチだと主張してきただけです。

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