レクサス、トヨタと違ってなぜ良いクルマが作れないのか?
レクサスの電気自動車RZに乗ってガッカリした、と書いた。なぜレクサスって良いクルマを作れないのだろうか? レクサスのルーツを辿るとLS400(日本名セルシオ)になる。このクルマ、鈴木一郎さんという役所の書類の見本のようなお名前(笑)のチーフエンジニアが、ベンツやBMW、ジャガー、キャデラックに負けないクオリティのクルマを作るべく頑張った!
私は31歳の時に取材した1989年のデトロイトショーで鈴木一郎さんに話を聞いたのだけれど、感銘し清水の舞台から飛び降りた気分になって買っちゃいました(同じ日にインフィニティQ45の取材をしたのだけれど直感的に”売れないな”と思った)。LS400の根底に流れるのは正直な高品質です。高価な分を全てクルマの質感向上に使えばベンツやBMWより良いクルマが出来るという概念。
初代と3代目を買いました
このコンセプト、2005年に日本でレクサスを導入した時も貫かれていた。当時のブランドイメージ戦略をしていた長屋明浩さんは正直な高品質がレクサスの精神だと語り、同感したことを思い出す。ベンツやBMWと同じコストを掛ければ、もっと良いクルマが出来るというロジックです。そんなことから大応援していたレクサスながら、担当者が変わるやイヤなブランドになっていく。
東京オートサロンに歩行者と接触したら大怪我させるようなトゲトゲの鋲をボンネットに貼ったLSを出したり、高いダンパーは使えないと開発担当者が平気な顔して答えたりするあたりから「こりゃダメだ」。ディーラーも太い客にお気に入りの女性の営業を付けるなど酷い状況。クルマはトヨタ車をケバケバしくドレスアップしただけ。それで納得するユーザーが大いにのも驚きましたが。
初代LS以降のレクサスで「いいね!」と思うのはLC500のみ。少し「いいね!」がLXとボンネットキャッチャーを2つにしたNXですね。それ以外は初代LSの素晴らしい精神を全く感じない。こう書くと「新社長の佐藤さんはレクサスだったでしょ」と思うだろうけれど、佐藤さん、レクサスはほとんど見ていない。レクサスと同時にGRのプレジデントになり、そちらに時間を取られたからだ。
だからこそ自分の意思を托すべく渡辺さんという誰もが「えっ?」と思う抜擢人事をした。新しいプレジデントの渡辺さん、白い巨塔化したレクサスの本流じゃなかったという。RZの試乗会の時に話をさせて頂いたが、面白そうな人です。ただ今までのレクサスのイヤな雰囲気を脱し切れておらず、本来の持ち味じゃなかったような気がした。渡辺さん、レクサスを変えられるだろうか?
レクサスのエンジニアと話をしても、同感できる点がほとんどない。だから試乗会にも行かないし、乗る気にもならない。最近のトヨタのエンジニアと話をすると「そうですよね~」と思うことばかり。私の感性が間違っているのかもしれないが、レクサスのエンジニアと話をしたって100%面白くないのだった(最近ではNXとLXを除く)。渡辺さんの大改革を期待したい。
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ただでさえ、クルマの価格が上昇している御時世です。個人的にレクサスは、もはや視界に入っておりませんですた。それでも、ブランドと高級仕立てで売ってしまうのですから、畏れ入ります。
そういう意味では、佐藤新社長の「レクサスはEV専用プラットフォームで勝負する」発言に、合点がいきました。要は、EVを一から作り直すということですものね。
それに商売上手のトヨタですから、レクサス用の新EVコンポーネントを汎用化して、トヨタやスバルも使うでしょう。となると、スバルの「EVの味は決まっている!」発言も気になるところ。
また欧州が合成燃料の内燃機関を認めるなど、EV至上主義も変化というか、綻びというか、正常化というか、潮目が変わってきました。これは、大いに楽しみになってきました。
トヨタに限らず日本人がブランド価値を理解していないからだと思います。日本は平等すぎて真の意味でのセレブが居ないんでしょうね。日本でのセレブって皇室くらいでしょう。
レクサスはブランド?に対して安すぎる訳でそのためコストダウンを要求されるのでしょう。
プラットフォームやエンジンまで専用品を使えとは言いませんがせめてデザインだけはレクサスオリジナルでオロチのような専用デザインをするべきです。販売価格も最低1000万円からでよいと思います。庶民が頑張っても手が届かないからこそのブランド価値なのですから。
イタ車のスーパーカーを見ればわかりますが性能、品質的には?なのに高級スーパーカーとして認められてます。
一番問題なのは今は無くなりましたがCT200のような車がレクサスに必要か?てことだと思います。
レクサスブランドはLFAのような車を作って最低3000万とかで売れば良いんですよ。本当のセレブはいくらでも買ってくれますから。彼らにとっては1000万も3000万も同じですから。
庶民が頑張れば手が届くような車ではブランド価値は構築出来ません。
ファッションブランドと同じと思いますね。創業者の世界を変えたいとか、より良いものを多くの人にとかの思想は薄れていって、徐々に消費者の欲望や優越感を満たすものに変わっていくという、ブランドってそうなる宿命なんでしょうかね。
初代セルシオはディーラーに就職活動をしている学生時代、それからディーラーに就職して納車引き取りを先輩に付いていって運転する機会がありました。
未だ高級車ってどんなものか判断基準ができていない私ですが、「こりゃ高級だ!」と当時直感で感じたのを覚えています。
在職中に2代目になって同じようなシチュエーションで乗る機会があったのですが、あの感動が湧いてこない?薄くなっている?
クルマの扱いに慣れてしまって感動が薄れている?いやいや2代目セルシオを納めて初代を引き取って帰ってくると正直初代の方が…。
新車と中古車の差というものがあったとしても…。
3代目デビューまでディーラーにいなかったのでそれ以降は触れていないですが。
同じベースを使いながら高級ブランドと普及ブランドを両立させる…アメリカだと普通にあるので可能性はあります。
キャデラックとシボレー、アキュラとホンダ、インフィニティとニッサンみたいに。リンカーンとフォードもそう。
何が高級だと顧客はエクストラを支払いたくなるのか?というのはトヨタやレクサスのプロの人が考えていることなので口に出すことでもないとは思っています。
増して「何が高級なのか自分は多分判っていない」と自覚しています。
鈴木一朗氏が悩み、結論を出したもの。
レクサスLSに当てはめれば「静粛と振動」。
V8エンジンに並々と赤ワインを注いだグラスを立てて、アクセルを煽ってもこぼれることがない。(実際にアメリカでレクサスのCMに使われたとか)
250km/hで巡行してキャスリーン・バトルのアリアを優雅な気持ちで聴くことができる。
https://youtu.be/ZcMDPL5NR4c
キーを捻った時(この頃はプッシュスタートボタンはなし)オーケストラの指揮者がタクトを振ると一瞬の間の後にワッと音圧が盛り上がってくる、あの感じでオプトロンメーターのスタート演出を決めたとか。
「オトシン(NVH)に徹底してこだわる」と決めて結局工作機械の精度を桁変わるまで高め、新たな高速周回路を持つテストコースを作り、…等々。
レクサスってこの全部じゃなくても一部分でもこの熱量で貫いてくれてたら…今頃マイバッハやロールスロイスに連なる何かに到達していたかもしれないなと妄想します。
部品的にはタイヤとショックアブソーバー、ステアリングコラム辺りに高級感のキモがありそうで、ドアキャッチやブレース類、ボディダンパーにも一家言ありそう。
ショップじゃできない系だと溶接打点増加やボンド接着箇所増加なんでしょうけれど…GRの方が先行してそう?
GRから出るWEC最高峰レーシングカーのベース、TS010ハイブリッドだって顧客層からすればレクサスの目指した「太い客」相手なので心配でしたが、2億とも3億とも云われる販売価格がハッキリしない状態でも予約完売なのだとか。
レクサスのリスタート、やっぱりキッカケはEVなんでしょうか?
ブランディングの再構築が必要なのかも。
二代目セルシオに感じられた違和感、その通りです
当時カー用品店に勤務していましたが、初代セルシオの見えない部分への手間のかけ方は驚嘆するものでした
ボディの袋部分に防音材は当然、何より内装の全てのクリップにブッシュが挟まれている徹底ぶりでした
それが二代目になると、まぁ一般的な使用箇所だけになっていて、最高級車でもこんなコストダウンをするのかと驚きました
初代から引き継いだ基本性能でいい車ではありましたが、最もセルシオの名に相応しいのは初代だと、今でも思っています
セルシオ/LS400は、それまでのトヨタの生産技術・開発技術の集大成を世の中に問う車としてリリースされたと思っていました。
xEV化に対して、いままでHEVで培った電動化技術をすべて集結させてbz4xやRZを作っていれば、確かにHEVを引っ張ってきたトヨタだ!と言われるような車になったんじゃないかと思います。
基本となるバッテリーマネジメント、長距離走行・急速充電の使い勝手が他社(外国勢)に劣っていることはかなりネックですよね。バッテリー劣化に対してトヨタのマネジメントが良かったんだよ、と証明されたとしてもだいぶ先になってしまう。
e-fuelが使える新型HEVなら2035年以降も売っていいことになりそうなので、そこに賭けるのかBEVも立て直せるのか、心配ですね。
セルシオとレクサクでは車にかけるこだわりと情熱が車作りに表れています。ハイパワーなのでどうしても電子制御がてんこ盛りになるのは仕方ないが車作りの弱点を電子制御が補完してる様に感じる車が多いと感じます。
初代レクサスの「源流主義」や「yetの思想」といった開発哲学は襟を正して向き合いたくなる輝きを持っていました。
当時自分は自動車とはまったく異なるカテゴリーの製品開発をメーカーで担当していましたが、初代レクサスの開発哲学は書物や発言を通して自分の中に常に輝く言葉として息づいていて、製品開発で問題に直面するたびに嵐の夜の灯台のように自分を支え導いてくれる拠り所となってくれました。
高級車を作る覚悟が、トヨタには足りないのだと思います。トヨタが長年培ってきたのは、優れた大衆車を作る能力であり、高級車づくりとは異なります。トヨタ基準から離れ、徹底的にトヨタブランドと差別化できるか。トヨタにとっては大きなチャレンジであり、その覚悟が問われているのだと思います。
現在のレクサスは、プレミアムブランドに相応しいブランド戦略を構築出来ていないと感じざるを得ません。
本家トヨタブランドが成長著しい中、ベンツやBMW、テスラなど定評あるブランドに対抗するだけではなく、ライバルからの明確な競争優位を得るためには、トヨタと同じプラットフォームで内装や外装、接客などといった表面的なしつらえだけを高級に装う手法に限界があるのは自明でしょう。率直に言って、ぼったくりを払拭しきれません。
そういった意味では、佐藤さんは慧眼の持ち主かもしれませんね。
レクサスは、GMやフォードのプレミアムブランドが、かつての栄光から没落し、現在の市場でどのように評価されているか、歴史から学びを得るべきです。
歴史といえば、なぜ初代LS400は今も語り継がれる伝説的なモデルになったのか。
それには理由がある、といった軽いレベルではなく、伝統的なプレミアムブランドを震撼させるほどの優位性を突き付けたからであり、語り継がれるのは当然といえるだけの明確な根拠がありました。
しかもその伝説は他社のストーリーではなく、自らのブランドの誇らしい歴史なのです。そのことをレクサスは真摯に学び直し、厳しく自省する必要があるでしょう。
その上で、章男さんが言われる100年に一度の大変革期に相応しい未来を見据えた開発を、レクサスはなく率先して行うべき立場にあるはずです。
日本人だからこそ、レクサスにはひとかたならぬ期待をし続けていますが、ベンツやテスラと比較した上で、レクサスだから購入した、と心底、偽りなく断言できるモデルの登場を、心待ちにしています。