ワイヤーハーネスの調達不足による減産は年内一杯続く?
部品不足に起因する自動車生産台数の減少、11月も続きそうな流れになってきた。どうしてこんなに時間が掛かるのか? いろいろ調べてみると、やはりワイヤーハーネスが一番厳しいようだ。ワイヤーハーネス、自動車に使われる部品の中で最も手作業の部分多い。相当省略して紹介すれば、大きな板の上に指定の配線を置くような”治具”がある。そこに指定の配線を手作業で乗せていく。
写真/住友電装
膨大な量です! 1本でも間違えたらどこかの機能が損なわれるからミスは許されない。はたまた組み立て時に傷を付け、被覆が剥けたらショートして火災になる可能性だってある。しかも全数、キチンと配線されているかどうかは車体に組み付け、起動ボタン押すまで解らない。労働集約型で、しかもミスが許されないという厳しい条件。そいつを安く作るには東南アジアしかない。
ここにきて東南アジアも新型コロナ感染は収束の傾向ながら、現場に居た人が地方に帰ってしまったり転職してしまったりしてフル生産に戻れない。人数は確保できても熟練しないとワイヤーハーネスって作れないのだった。メーカーにもよるが、フル生産体制を整えるまで年内いっぱい掛かるという。問題は「今後どうする?」だと思う。個人的な考え方ながら日本でも作ったらいい。
日本の作業レベルは世界有数だと思う。いや、世界一と言って良い。20年前まで日本のレーバーコストは世界でも高い方だった。されど20年間給料が上がらなくなった結果、今や決して高くない。しかもワイヤーハーネスの部分的な仕上げは内職レベルで可能。シングルマザーの仕事として考えたら好ましいと思う。自宅で、子供を見ながら好きな時間にできますから。
<おすすめ記事>