世界と戦うため日本に必要なクルマってどんな?
日本勢は着実に進化を続けている中国や韓国とどう戦っていけばいいだろうか? その答えの一つが、タイなどで生産されている安価で信頼性を持ち、さらにクルマとしての魅力も持っているホンダBR-Vのようなクルマだと思う。これまで日本のメーカーは新興国向けにコストパフォーマンスの高いクルマを開発してきた。
トヨタの『エティオス』や日産の『ダットサンGO』、ホンダ『ブリオ』などである。この3車種、狙ったほど売れなかった失敗昨なのだけれど、共通するのは「超カッコ悪くて激しく安っぽくて夢も希望もない」ということ。どの車種も開発段階は大いに期待したけれど、実車を見てガックリしたことを思いだす。
機械としての信頼性は日本車の水準にあるのかもしれない。されどクルマとしての魅力が全くないのだった。「どう思うか?」と聞かれたら瞬時に「買わない!」と答えるだろう。安いクルマ=魅力の無いクルマじゃない。売れなかった新興国専用車を作ったメーカーの多くは「このクラスに日本車を作っても売れない」と思ってるらしい。
そら違います! 優秀で夢のある人たちに作らせたらいい。BR-Vはどんな人たちが開発したのか全く知らないけれど、これまでの新興国向けのコスト車と一線を画した魅力を持っている。8月10日売り号のベストカーでBR-Vの紹介&試乗レポートをお届けしているから、気になる人はチェックしてみて欲しい。
大切なのは安い価格帯に魅力ある日本車を送り込み、中国車を買うユーザー層のショッピングリストに載せることである。日本人だって日本車が200万円で輸入車300万円なら、日本車を考えるだろう。新興国の人も同じ。シンプルな内容ながら手頃な価格で買えるカッコよい日本車あれば考えると思う。乗ると圧倒的な信頼性をキチンと理解してもらえることだろう。
日本だってこのクルマを170万円で出したら売れる。いや、インテリアなどもっとシンプルにしてもよい。ランドローバーのディフェンダーのようにスパルタンでOK。その代わり、サイドエアバッグと高性能自動ブレーキに代表される安全デバイスは全グレード標準装備にすることです。日本市場に関しては発想の転換が必要だと思う。
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