丸刈りか?
ハイオク仕様にレギュラーを入れても街中の燃費は変わらない、と今まで書いてきた。実際、軽負荷時の燃費は燃料の熱量で決まる。レギュラーとハイオク、熱量を比べると”ほぼ”変わらないのだ。ベストカーの飯嶋君に「何でもいいですから役に立つ燃費改善策はありますか?」とコメントを求められ、海外に行く直前の忙しい中そうアドバイスした所、出来上がった本を見たらギネスの燃費ホルダーから「レギュラー入れると燃費が5%悪くなるから推奨しない」と決めつけられてしまってました(現在販売されれているベストカーに出てます)。こら面白い! 私もプロだからして、もし間違ったことを書いてきたなら責任を取らねばならぬ。当然、私の主張を一笑に付した先方と、その意見を鵜呑みにした飯嶋君は、間違えなら私に対する立派な誹謗中傷行為(コトを荒立てるつもりは全くないですけど……。面白がってるだけ)。こうなれば実際に試験して決着を付けるしかあるまい! 負けたら私が丸刈り。燃費変わらなければ先方と飯嶋君丸刈りの真剣勝負といきたい。私らの仕事で何より大切なのは、読者のためになる情報を提供すること。安いレギュラーを使うことを否定するなら、根拠が必要です。
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国沢さんこんにちわ。
楽しいブログ、ほぼ毎日読ませてもらってます。
私は、ハイオク仕様のプレオRS-Limitedに乗っていますが、やはりレギュラーを入れると加速、燃費両方悪くなります。国沢さんなら乗ればすぐにわかると思います。私は札幌に住んでいて通勤に使っていますが、通勤時の燃費はハイオクだと平均すると8km/L程度ですが、レギュラーを入れた場合6km/L程度まで下がります。長距離になるとさらにその差は広がります。
今回は街中でということなので街中での平均燃費で計算すると、500km走った場合
<ハイオク>
燃費8 / 走行距離500 = ハイオク62.5リットル
62.5 x ハイオク単価155 = 9687.5円
<レギュラー>
燃費6 / 走行距離500 = レギュラー83リットル
83 x レギュラー単価135 = 11205円
となって、やはりレギュラーの方がお財布にやさしくありません。
これは軽自動車だからかもしれません。レギュラー時は、加速が悪いためにアクセルの踏み込みを深くしてしまいがちです。頑張って低燃費走行しても燃費が7km/Lになったとしても金額は40円程度しか安くなりません。それに加えて、メーカー補償が受けられなくなる場合も出てくるでしょう。説明書にはプレミアムガソリン以外は使用しないでくださいと書いてあります。年間走行距離1万キロ走ったとしても、低燃費走行続けてたったの900円差。エンジンに不具合出て、見てもらったときに「あ〜レギュラー入れてるんですね、保証外です」なんて言われちゃおしまいです。
だから私はあまりオススメしません。
失礼いたします。
トヨタのHPに下記のような記載があります。
他のメーカーでも同様の物があると思います。
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ガソリンスタンドで燃料を間違えて入れるとどうなるの?
【プレミアムガソリン車にレギュラーガソリンを入れた場合】
無鉛プレミアムガソリンを使用してください。
無鉛レギュラーガソリンでも使用できますが、エンジンの出力低下等の現象が発生します。
また、トヨタの「2ZZ-GEエンジン」の場合はエンジンに悪影響を与えるおそれがありますので、
無鉛レギュラーガソリンの使用はおやめください。
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プレミアムガソリン使用の車の場合、エンジンによっては自動調整が利かず、エンジンの不調・故障の原因になる可能性があります。
燃費云々以前に、そのような危険な行為を勧めるのはいかがなものかと思います。
訂正です。
>プレミアムガソリン使用の車の場合
「プレミアムガソリン仕様の車の場合」です。
「安いから」とか「軽自動車だから」という理由でガソリン車に軽油を給油してしまう人がいるくらいです。
自動車に関係する人間が「ハイオク車でもレギュラーでOK」なんて(カー雑誌に)書いたら、必ず実行する人が出ます。
そこで何らかの故障が発生した場合、記事を載せた雑誌社・記事を書いた方に賠償責任があると思うのですが、いかがでしょうか?
nobuさん、コメントをありがとうございます。
>レギュラーを入れても問題が無い(機関の破損等)確認はするのが基本。
全くその通りです。
ですが、先に書いたように何も考えないでガソリン車に軽油を入れてしまう人が多いのです。
そんな状態なのに「ハイオク仕様にレギュラーを入れても街中の燃費は変わらない」と自動車雑誌に自動車評論家が記事を書いたらどうなりますか?
「なんだ。高いハイオクを入れなくてもレギュラーでいいんじゃん」と思うのではないですか?
自動車の専門家が言うのだから間違いない。と思うでしょう。
日本のほとんどのハイオク仕様の車はレギュラーを入れても問題なく(軽微なノッキングや馬力の低下はあるでしょう)動くと思いますが、エンジンに悪影響を与えるおそれの有る物もあるのです。
使用者が自分の車はどうなのか、理解していればいいですがほとんどの人が理解していないと思います。
>スタンドで間違えて入れられ、知らずに走った場合も保証の対象にならないのは論外です。
これはメーカーの責任ではなくGSの責任では?
セルフで自分で入れたなら自己責任ですし、フルサービスのGSであってもどんな油種を入れているかをチェックするのはドライバーとしては当たり前のことだと思います。
そこまでメーカーに責任を押し付けるのは酷だと思います。
偽装表示なんてのは論外です。
たとえ「混ぜ物」がしてあっても、まずわからないでしょう。
エンジンが不調になって初めて「おかしい」と思うだけ。
その辺りはGSの良心を信じるしかありません。
フルサービスで給油してもらう場合であっても自分の入れて欲しい湯種を入れてくれているか(油種ラベルを)確認することはドライバーとしても重要なことではないか?と言うことです。
私の意図している内容と異なる話になっていますので、この件はここまでにさせていただきます。
私が言いたいのは
自動車の専門家である国沢先生が「ハイオク仕様にレギュラーを入れても街中の燃費は変わらない」と記事にしているのは問題ではないか?と言うことです。
初めにコメントしたように、メーカーのQ&Aにおいては「ハイオク仕様車にはレギュラーを入れないでください」との記載があります。
自動車に詳しくない一般の消費者から見たら、メーカーは責任逃れで書いているだけで評論家の先生が「問題ない」って言っているのだから、どんなハイオク仕様車にでもレギュラーでいいんだ!と思うでしょう。
その結果、エンジンに不調が起きたとか故障したと言ったことがあれば問題です。
大げさですが、「読者のためになる情報を提供する」どころか、自動車の故障につながりかねない行為を助長したということになりはしないか、と恐れながらも進言させていただいたのです。
これが『安いレギュラーを使うことを否定する」「根拠」だと思います。
以上、国沢先生からのご回答をお待ちしております。
初めまして。こんにちは。
本テーマは私も昔から興味があり、点火時期を自分で調整してまでいろいろと調べたことがありました。
結論から言えば、冬場の短距離走行のように低温低負荷に運転条件を限れば燃費は変わりません。しかし負荷が大きくなればレギュラーとの価格差以上に燃費が悪くなります。また最新の燃費に注力した、攻めた設計のエンジンほど、オクタン価に敏感な傾向があります。レギュラー指定でありながら、ハイオクを入れるとはっきりと燃費が向上する車もあるくらいです。
国沢さんのポイントは「軽負荷に限れば」というところだと思いますが、これを数値化できなければ誤解を招きかねません。ぜひここはアカデミックに表現していただきたいところです。