事故後の対応

任意保険を使う場合、三つのケースがある。加害者になり、支払う側になった時と、被害者になる受ける側になった時。そして双方に過失あって両方の保険を使う時だ。保険会社の方は少しでも支払金額を少なくしたいので、加害者になったら徹底的に金額を少なくしようとしてくる。この担当を「アジャスター」という。

例えばもらい事故であってもこちら側に過失あれば、自分で加入している保険会社と相手側の保険会社が話し合って金額を決める。いろんな意味で簡単。問題は100%過失無いケースです。自分の保険会社から「知らない」と突っぱねられ、海千山千のアジャスターと賠償の交渉をしなければならない。

さて。大きな事故に遭ったクルマはディーラーで修理しても査定に出すと「格落ち」という減額を喰らう。
そらそうだ。事故車は中古車市場で人気ありませんから。したがって事故車を手放す際、事故が原因で査定価格落ちたら、その分の保証を受けられる。こらもう判例集にも出ていて、私は貰ったことがあります。

ちなみに手放さないケースであっても、修理金額の10〜30%を格落ち分とみなして支払うというのが普通。だって100%事故前の状態にゃならないですから。色だってカンペキには合わないし。しかし。保険の常識を知らない人がインチキなアジャスターに当たると、適当にあしらわれてしまうことになる。

現在私の所に相談に来ている件、事故前の見積もりが95万円。事故の修理に55万円掛かり、事故後の見積もりは65万円だという。当然ながら保険会社で30万円の格落ちを負担しなければならない。なのに「そんな事例は無い。格落ちは修理金額の10%まで」と言い張っているそうな。タチの悪いアジャスターであります。

泣き寝入りする寸前、私に相談してきたのだった。この方は昔からの知り合いです。果たして今後どうなるか? 順当に出してくれる可能性もあるので現段階じゃ保険会社の名前は出さない。タチの悪い被害者なら示談屋を使い、直接加害者に怒鳴り込むケースだって出てくる。こうなると、保険に入ってる加害者だってタマらない。

被害者になっても加害者になっても保険会社の対応は重要。乗り換えても支払い金額は変わらない。保険に入るならチャンとした保険会社であることと同時に、面倒見の良い保険マンから加入すべき。でも今や保険会社はメディアの大スポンサー。この手のガイドってなかなか難しかったりして。

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4 Responses to “事故後の対応”

  1. 小林 英弘 より:

    あれれ? 「格落ち」なんて言葉、初めて聞きました。「修理金額の10〜30%を格落ち分とみなして支払うというのが普通」なんて初めて知りました。なら私も「適応にあしらわれた」一人の様ですね(笑)。私の場合は追突事故でしたが。
    その事故、というか事件は結構大変でした。というのも片側1車線の田舎道を普通に走ってたら後方から猛然と突進してくる白いミニバンが。でウチの当時の愛車フィット君のケツにビタ付けでかじりつたままクソぼっこ(←「頭悪いバカ」程度の意味)みたいに延々煽り倒してきやがる。いい加減「うぜぇなこの野郎!」とイライラしてきたその時! 左の細道からオバハンの自転車が「ひょろひょろ〜」と車道に! とっさに右にハンドル切って自転車を避けた瞬間「ドン!」と衝撃! 「…???」と思ってバックミラーを見ると白いクソぼっこミニバンの「左半分」が映ってます? …オバハンが出てきたのは田舎道がクネクネ区間から直線に変わる所。要するにミニバンが私のクルマを追い越そうと反対車線に出て加速した瞬間に私がオバハンを避けようと右にハンドルを切ったため、ミニバンが私のクルマに進路をブロックされた形で追突したのでした。
    まぁこの事件の詳細は詳しくは書けませんが(後に警察から聞いて解ったのですが、ミニバンを運転してたのがそこら中で傷害事件を起こして訴えられてた札付きのチンピラ野郎で、「俺の進路をブロックしやがった!」と勝手に逆ギレしてクルマを降りた私に物も言わずに殴りかかってきて私はアスファルト路面に押し倒された際に仙骨(=人間が猿だった名残の尻尾部分の骨)骨折するわ顔ボコボコに殴られるわで「全治一ヶ月」の怪我(←もちろん刑事事件になって「傷害事件の被害者」になりました)…しかし私も事件当時20代の血気盛んな時期でしたので(昔取った杵柄で?とも言うかな?(笑))「こんな真冬の朝になんぞいくらパンチ喰らったってコシけて(←「寒さで感覚がないので」程度の意味)何も痛かねーよ!…ていうか俺、今ポケットに○×△…」あぁ!やっぱり書けませんね!(笑))………。
    結局、フィット君は「リアメンバー修復」で立派な「事故車」になりましたが、JA共済のアジャスター氏はディーラーの見積金額以上のお金は一切くれませんでした。「格落ち」云々の知識があればいくらかでも+@のお金がもらえた様ですね。しかしまぁ事故は往々にして「お金云々!」となりがちですが、そこは人と人との間で望まなくして起こったアクシデント。最終的には双方遺恨を残さず収めてくれれば良しとするべきかな、と思います。そんな「汚れ仕事」を当事者に代わって最後まで全て行ってくれるアジャスター氏には素直に感謝すべきかな、と。たとえ支払われたお金が「より有能かつ良心的なアジャスター」に比べて10万円少なくても、と、30代後半の今はそう思います(笑)。

  2. 岡田 喜博 より:

    尊敬する国沢親方ですが、この件は一言。
    格落が常に賠償の対象であるかのような書き方、支払わないのは保険会社が支払いを渋っているから、という書き方は読む人に誤解を与え、しかも本来守られるべき保険契約者の利益も損なう可能性があります。
    まず賠償の基本は、ノーレス、ノープロフィット。事故前の状態に現状回復をすることを以て 賠償は足る。
    外観上、機能上の修復がなされれば、賠償責任は完了したと考えられる。
    それでも客観的にみて、事故前の状態に回復していない、例えば格落ちが発生していると判断されれば、当然加害者は賠償義務を果たさないといけません。ただし何を以て事故前の価値を計るかです。
    下取りに出す予定の車で、下取り金額も確定していたにも関わらず、不幸にも追突事故にあい、ディーラーから追い金を支払わされた。
    これは客観性があり、加害者は賠償をしなければいけないです。でも多くの場合このようなケースはありません。格落ちが発生するのは車を売却したときだけ。それも市場の原理ですし、またその車が格落ちを受け取った後、大きな事故で廃車になる可能性もあります。
    判例で格落ちが認められているとの記述がありますが、認められていない判例もたくさんあります。このコラムの読者(恐らく大変な数でしょう)が、格落ちを被害者が受けとるべき当然の利益と考えたら、皆が不幸になる可能性があると私は考えます。

  3. さね より:

    事故はもの凄いいやな物です。自分はバイクの時でしたが、わき見トラックに突っ込まれて膝と指を折り、大変でした。その後の保険会社とのやりとりが、これまた大変で… バイク全損、大怪我させられてあまりに酷い対応だし、話し合いも平行線で、最終的に弁護士に頼みました。するとあっという間に解決…まあ慰謝料が高額なケースだけに、素人だと平気で金額減らす為にのらりくらり認められません、規約に適合しない、しか言いいません。それ以来、任意保険に入ってますが信用ならない感じがしなくもないです。その時、父親が入院中、ジュース一本でも、また通院するようになってからもタクシー代、怪我に関する全ての領収書、すべてノートに張って残しとけ!とゆわれたのが助かったなぁ。ぜんぜん国沢先生の話と違いますが、保険会社は高額な保証になるほど、また被害者、加害者同が同じ保険会社同士の場合は気おつけましょうといいたかったんです。保険会社の名誉の為に一応、身内の事故の時は、良心的な保険会社の対応もありました。 事故は起こさない、もらわないが一番ですね。なんにしても、任意保険も入ってこそですね、こうゆう話も。

  4. フクダ より:

    事故前の価値を認めて欲しい被害者側と、自身の営業成績のため一円でも出したくない保険会社社員…
    お互い主張が食い違うのは当たり前で、だからこそ過去に争った判例が存あるのですし。
    最近はネットで手軽に情報を入手できるせいでしょうか、実体験の一度もないのに浅はかな知識を紋切り型に並べて主張する輩が多いように感じます。
    本当に大切な事はネットにはなかなか出ていませんから、自分で考えて答えを導かなければなりません。
    そうしないといつのまにか国やメディアや大会社に騙されて損をしてしまいますから。

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