休日なので技術の夢を見る。液体水素+水素エンジン+超伝導を組み合わせたらどうか?
トヨタが水素エンジンを競技に使う、と聞いた時点で「将来的に液体水素を使えるか?」と思った。液体水素を使う際、一番大きい問題となってくるのは、気化する時の熱をどうやって作るか、だ。-253度の液体水素を気化させると周囲は全て凍っちゃう。液体水素を使う水素ステーションだと「気化器」と呼ばれる、水素を暖める逆ラジエターのようなモノを使ってます。
燃料電池で液体水素を使おうとした際、最大のネックになるのが水素を暖める熱をどうするか、だ。ちなみに燃料電池も電気を作る際に熱を出すけれど、せいぜい70度。この温度だと水素を暖めるには物足りない。水素エンジンなら燃焼時、比較にならないほどの熱を出す。ラジエターなんか不要になるほど。エンジン廃熱で水素の温度をプラスに出来れば凍結の心配無くなる。
また大型の水素エンジンなら発電機を回すのに使うと面白い。液体水素で-150度以下の環境を作ったら電気抵抗がゼロになる超伝導状態だって作れる。すると水素エンジンの出力を超伝導発電機>超伝導インバータ>超伝導モーターと伝えることにより、限りなく100%をアウトプットに使えます。ちなみにリニアモーター実験線で使っている超伝導モーターは-163度だ。
液体水素を超伝導のため使い、さらにエンジン冷却用として使うことで、かなり水素の温度を上げることも出来るんじゃなかろうか。遠からず大型船舶のパワーユニットは水素エンジンになると思うけれど、こちらも推進用に超伝導モーターを使うことで大幅に熱効率を上げられると思う。水素を上手に使うことでカーボンフリーは不可能じゃ無いと考えます。
参考までに書いておくと、水素を液化する際に使うエネルギーは、水素が持つエネルギー量の15%程度だという。つまり効率85%ということ。この程度なら原油の精製+運搬に使うエネルギーと比べ極端に負けてないと思う。太陽光や風力、地熱発電などで水素をバンバン作ってやれば、水素エンジンや水素発電、燃料電池などで使うことで石油の代替になるだろう。
<おすすめ記事>