危機感あるのはトヨタだけ?
心ある人だけ読んで頂ければ、と思う。何度か書いた通り10年前は起亜自動車を含む現代自動車が800万台規模のメーカーになると予想している人は少なかったし、出来もタチも悪いパクりカーばかり作っていた長城汽車やBYDが、日本車の市場を奪うクルマを作るなんて想像すらできなかった。日本のメーカーはどうかと言えば、劣化してるケースも。
こう書くと「先端技術を使ったクルマや、高額商品は韓国や中国に負けていない」と思うかもしれない。私もそう考えてきました。しかし! アメリカで現代自動車のブランドである『ジェネシス』(レクサスやインフィニティみたいなもの)の新型G90を見て「こらマズイですね」。アメリカのメディアの評価を読むと、もはや競合するインフィニティやアキュラは厳しい。
いや、レクサスだって価格が近いGSの強力なライバルになるだろう(LSは古いため開店休業状態)。今後、ジェネシスからカムリ級のFFセダンや、レクサスやアキュラの売れ筋となっているSUVなど出てきたら、着実にシェアを奪われる。参考までに書いておくと、アメリカに於ける直近のノンプレミアムブランドの顧客満足度1位は現代/起亜自動車です。
こういった戦い、すでにシェアを奪われて負け戦になっている他のギョウカイもそうだった。ナメているウチに価格で足元を崩され、その後、アフターサービスや販売力でユーザーを持って行かれ、そうこうしている間に性能でも追いつかれてしまった。もはやPCも携帯端末もTVも復活は不可能。何とかカメラが頑張っているのみ。それすら時間の問題か?
自動車の厳しい点は、日本のメーカーの得意分野である先端技術が受け入れられていないこと。本来なら自動車好きの先行指標となる同業者を見ても、燃料電池車こそ2人買った人が居るけれど電気自動車無し。これから大きな流れになりそうなPHVに乗っている人も居ない(3タイプ持ってるのはアホだと思いますが‥‥)。つまり時期尚早なのだった。
もちろん日本の自動車産業は奥行きや技術の蓄積が大きいから、そう簡単にやられないと思う。されど日本の自動車メーカーを見てると、攻めようとしているのはモリゾウさんだけのように感じてならない。なんせ目先の収益を見ると抜群に良いため、問題意識もないのだろう。この間にジワジワ追いこまれている。いわゆる「茹で蛙」というヤツ。
収益状況良いことだけ考えると、コストダウンや利益を上げることを最優先することになってしまう。このあたりで「攻め!」の姿勢を打ち出さないとジリ貧かも。こうしている間に、韓国や中国は日本の主な顧客層である「ミドルクラス」を狙って頑張ってます。
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