国沢光宏、今や乗用車の3分の1を占める軽自動車は新しい価値観を持つべきだと強く思う

先日富士スピードウェイでミライースの競技車両に乗って「あらら?」と思った。楽しいのだ。今まで軽自動車と言えば、私自身コスト重視の実用車と考えてきた。一方、今や乗用車の3分の1が軽自動車である。となればクルマ好きだって趣味の対象にしていいんじゃなかろうか。実際、アメリカで軽自動車人気が盛り上がっている。先日アラスカとカナダで聞いたら「だって楽しいだろ!」。

考えてみたらコンパクトなクルマは基本的にシャープだし扱いやすい。アメリカの人からすれば、実用車じゃなく楽しいブブンだけで軽自動車を見ているのだった。なぜ我が国では実用車扱いなのだろう。おそらく2つの理由があると思う。64馬力という出力制限と、クルマ好きや軽自動車を作っているメーカーが楽しさを追求しようとしなかった。

64馬力の軽自動車に乗ると白ナンバーの登録車より圧倒的に遅い。このパワーで楽しいクルマを作ることは難しい。けれど先日試乗したミライースは、グループNのようなエンジン特性なのだった。考えてみれば2リッターのグループNって吸気制限(リストリクター)を付ける事で32口径時代の最高出力は240馬力程度だった。それでも最大トルクが500Nm以上あったのでラリーだと十分速い!

64馬力でもグループNのようなエンジンにして150Nmくらい出し、700kg少々のボディと組み合わせる事で予想をはるかに越える楽しいクルマになる。富士スピードウェイで走った時の回転数は上限が5000回転。正しくグループN時代のインプレッサやランエボの上限回転数だったりする。車重740kgだったから、最高速こそ期待出来ないが、ラリーや街中であれば”きっと”凄く楽しい!

価格的にもリーズナブル。これからエンジン車はなくなる方向。MT車も無くなる方向。かといって500万円のスポーツカーを買い、あまり乗らないのに持ち続けるのはお財布の負担が大きい。軽自動車のスポーツモデルならどうか? 2シーターのスポーツモデルだと狭いし、荷物だって乗らない。4人乗りたいときだってあるだろう。インプレッサらランエボのような箱の軽自動車ならどうか。

かといって自動車メーカーがそんなクルマを出してくれるかといえば、難しいと思う。だったら作ればいい。幸い、ミライースとアルトのような背の低いモデルならエンジンを鍛え、足回りに手を入れれば面白いクルマになる。そういったクルマが人気になったら、おそらく軽自動車メーカーだって気になる。エンジン車絶滅までリーズナルにクルマを楽しめるワンチャンあるかも、です。

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