大型トラックの追い越し車線居座りの原因はリミッター稼働速度が違うためだった!

4月から大型トラックの制限速度が80km/hから90km/hになったものの、高速道路で出会う大型トラックの走行速度は変わらない。なぜか? 基本的に速度リミッターを10km/h引き上げるソフトが出回っておらず、加えてトラックメーカーも対応ソフトを出していない。最も新しい三菱ふそうのスーパーグレートの速度リミッターもそのまんまになっている。

どうやら国交省が90km/h時代の速度リミッターの稼働速度について指針を出していないらしく、結果的に動けないようだ。制限速度の引き上げは警察と経産省マター。加えて異論がたくさんある。特に二酸化炭素排出量増加は必至。燃費で厳しい縛りを行っている国交省としちゃ「今でも90km/hリミッターなんだからいいでしょ」ということ。

その通りです。この点は国交省を支持しておく。ただし! 大きな問題がある。日本で販売している大型トラックの速度リミッター、稼働速度が微妙に違うのだった。日野は制限速度80km/h時代から国交省の行政指導通り実車速にして90km/hで作動する。メーター読みだと95km/hくらい。なのに三菱ふそうは87km/hくらいで作動する(メーター読み91km/h程度)。

いすゞは中間だという。これ、どういう状況をもたらすか? 皆さんほとんどリミッター作動速度で走っている。90km/hまでは合法だ。そこに87km/hリミッターと90km/hリミッターの大型トラックが出会ったらどうなるか? おそらく1km/hの速度差なら抜かす気になりにくい。けれど3km/h差あれば抜きたくなってしまう。こらもう人間の真理だ。

だったら国交省はトラックメーカーを行政指導し、同じ速度でリミッターが作動するようにすべきだと思う。こう言うと「タイヤの減りなどで速度差は出る」というく~だらないことを言う輩が必ず出てくる。確かにその通りだろう。されど、1km/h差なら追い越ししない。2km/h差だと半分くらいのドライバーは追い越しを諦めると思う。

そして100台トラックあれば、50台は1km/h未満の速度差で作動する。90台が2km/h未満の差で稼働する。となれば、100台のうち、90%が追い越しをしない速度に収まる。残る10%も半分のドライバーが追い越しを断念するだろうから、今の20分の1になるということ。ずいぶん走りやすい高速道路になるんじゃなかろうか。無駄な追い越し減れば二酸化炭素排出量だって減る。

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3 Responses to “大型トラックの追い越し車線居座りの原因はリミッター稼働速度が違うためだった!”

  1. kuz より:

    整備士系Youtuber(このブログでもテスラ修理の話題で取り上げてた人)の話題としてトラック屋の社長が、トラックの制限速度を上げても荷受け先・荷下ろし先での待ち時間を解消しないと何の意味も無いって言ってましたね。
    全くその通りだと思いまいた。

  2. しん より:

    そもそも、大型貨物車が追越し車線を走行することを明確に禁止しない道交法と、禁止されている場所でも厳格に取り締まらない交通警察が悪い。
    乗用車のわずかな速度違反とか車間距離が瞬間的に短くなったことに目くじらを立てる暇があったら、円滑な交通を大きく妨げる大型貨物車の追越し車線走行を防ぐべき。
    先進国どころか中国でさえ高速道路の追越し車線は大型貨物車走行禁止があたりまえで、私の知る限り大型トラックが追越し車線を走っているのはASEAN諸国くらい。
    日本は車両技術では先進国でも、交通行政は後進国。

  3. トヨタ車ユーザー より:

    おそらく国がリミッターの速度を決めれば、ビタっとどのメーカーのリミッターもそろうと思います。
    とある場所で、ノートe-power(リミッター140km/h)とタントカスタムTURBO(リミッター140km/h)がどちらも車線を譲らず、ひたすら追い越し合戦(いや、お互い追い越せないんですが)をしていて、見事に平行線のまま走っていました。
    ずーと2車線をこの2車が塞いでいて、メーカーは違えど速度の測定=リミッターは正確なんだなあと思いました。いまは横滑り防止装置が付いている車は空気圧の警告も出ます。タイヤの直径が変わっちゃ困るからですが。

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