完全自動運転に警察ダメ出し! 政府の面目丸つぶれ

先日のこと。国交省は政府からの強い要請を受け「2020年までにタクシーやバスの完全実用運転を認める」という方針を打ち出した。事故が発生した時の責任は「事業者側が全て負う」という。当然のことながら事業者側に認可出すの国交省です。つまり幼いお子さんと事故を起こしても保険に入っておけば賠償責任はそこでオシマイという意味。

考えて欲しい。自動運転車が人をひいた>自動運転のシステムに問題ある>事故の責任は事業者>事業者は国交省から認可を受けている>責任あるけれど刑事罰は難しい>それでも責任あるので賠償責任>保険に入っているから支払う>誰も責任取らず終了、ということになるだろう。被害者としても誰かが刑事罰受けたって提示されるのは金額のみ。

「それでいいのか?」と思っていたら、突如警察が「自動運転車には免許を所持した人が同乗の上、事故の責任も負う」というガイドラインを出してきた。これじゃ普通のクルマと全く同じ。事故の責任を負わされるなら、運転席に座り、常に運転状況を見守り、アブなかったらすぐに運転を代わらなくちゃなりません。自動運転に遠い状況。政府の方針と全く違う。

つまりタクシーなら運転席にドライバーが座った状態で、乗客に行き先など聞いてナビを設定。ノロノロ走行で目的地を目指すことになると思う。バスであれば専用走行レーンなどを設置して限定自動運転するのみ。政府の顔にドロを塗ってグチャグチャになで回すようなもの。おそらく警察のガイドラインに対し様々な意見をブツけてくることだろう。

おそらくこのままじゃ終わらないと思う。それとも国交省は暴走する政府に待ったをかけてくれた警察を密かに応援する? いずれにしろ警察がガイドラインを引っ込めない限り茶番の”完全自動運転”しか出来ない。そもそも何度か書いてきた通り、2020年の技術を持ってしても、都市部の混交交通に於ける自動運転は上限で20km/h程度までしか出来ないと思う。

 

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