弟子2号、新型コルベットに試乗。私はまだ乗っていない。しくしく

歴代のコルベットのFRの伝統を断ち切って、初めてMRとして生まれ変わった新型コルベット。私が一番初めにこれを聞いた時「本格的にスーパーカーの仲間入りだ〜!」と思いました。くるまのCHANNELさんが「千葉県で撮影をするのに車を持って行く必要があるから片道だけでも運転するかい?」と声をかけて頂いたので、東京都内から千葉県のサーキットまで試乗して見つけた新型コルベットのワクワクするポイントとちょっぴり残念に思えたポイントを紹介しようと思います。

本物の戦闘機みたい! クルマに興味がない女性はきっと新型コルベットがスーパーカーだと言われても、美しい彫刻的なボディラインが際立つ姿に「すごい!かっこいい!」と疑うことはしないでしょう。サイドドアにある角張ったドでかいエアインテークは、F22やF35などアメリカの戦闘機やF1からインスパイアされたそうで、まさに戦闘機そのもの! なんだか攻撃してきそう! そんな存在感あるエアインテークの内側にドアハンドルが隠されているのを知らなかった私はどうやって開ければいいのかわからなくてカップラーメンが出来上がるほど固まってしまいました(笑)。

ドアハンドルはインテークの中

そしてインテリア。運転座席と助手席の間にある縦1列に配列されたボタンの仕切りは運転席側に傾いており、ドライバーにとっては包まれているように思える空間は一人乗りの戦闘機みたいで童心をくすぐるデザインに一目惚れ! 四角いハンドルの隙間から液晶になったメーターが上手いこと見えるようになっていたり、エアコンの風向きを変えるつまみが操縦室にあるボタンみたいになっていたり、見た目のカッコ良さだけではないこだわりがちりばめられた宝箱みたいな車でした!

走りは最高 ハンドリングは、高速道路でステアリングの切り込みを少し荒く加えても車体は安定してブレず、路面との接地感をハンドルで感じられたほど切れ味は爽快でした。コーナリングでもまるで私がシートごと車の中心に位置しているんじゃないかと思うほど自分を軸に車体が動いているようで、車と一体化した感覚がとても顕著。

初めて乗る車でかつ絶対傷つけてはいけないという使命感を胸にドキドキの中の試乗でしたが、ハンドルを握ればその緊張感も薄れ、気を使う所がないのですっと運転に集中ができるほど快適でした。今回は公道しか走れなかったので、大した速度は出せなかったけれどもっと踏んだらどうなるのか。「私が経験したことのないその世界を見てみたい!」と思わせられました。

私にとって唯一無二の存在に思えた新型コルベットは、目を瞑れば今もあの時乗ったワクワクを10分前の出来事のように思い出せるほど衝撃的。そんな新型コルベットはなんとシフトレバー横のダイアルを回すだけで簡単に走行モードを変えることができ、しかも自分色のカスタマイズもできちゃうのです。

モードは全部で6つあり、日常使用のツアーモード、雨や雪の場合に安定性を確保するウェザーモード、燃費をよくするエコモード、スポーツ走行用のスポーツモード、サーキット走行用のトラックモード、そしてサスペンションの硬さやエキゾーストサウンドの音量を調整する等、自分好みに設定できるZモード。

驚くことに日常使用のツアーモードは、スポーツカーに乗ってるとは思えないほど快適で、乗り心地は穏やかでお上品な乗り心地でした。でも残念ながら走行に夢中になりすぎて高速道路を降りる8分前に慌てて走行モードをスポーツモードに変えたほど!!なので私はツアーモード(快適モード)で9割走ってしまいました。ひぇぇえ!! なんとも言えない気持ちでぴえんですが、それは逆にノーマルモードでも充分楽しめたと言うこと!!という事にしときます!(笑)

実は実用性が高い 2シーターなのに実用性?って声も上がりそうですが、右ハンドルも導入された新型コルベットは前後合わせてに荷室容量は約360リットル。リアに至っては2つのゴルフバッグや旅行の荷物も入るほど!

しかも3LT とコンバーチブルには「フロントリフトハイトアジャスター」が新装備されており、ボタン一つでフロントの車高がわずか3秒で40mm上がる仕様になっているので地面とごっつんこしないようになっているのも日常使いには便利な機能です。この機能は40km/h以内であれば走行中でも作動するので、立体駐車場等の段差でも安心してスムーズに走行ができちゃいます。

オーディオはBOSEの 12スピーカー、アクティブノイズキャンセレーションがついているので、ロードノイズがかき消されて快適性も非常に高く、走行中もロードノイズがないように思えるので同乗する人も嬉しい装備となっています。しかもエンジンサウンドエンハンスメントもついており、エンジン音が座席の後ろのスピーカーから聞こえてドライバーにも嬉しい車です。

ただ私はオーディオから聞こえるエンジン音はスポーツモードにしても若干物足りなさを感じましたが、フェラーリやランボルギーニのようにバチバチした音ではなくとも快適に乗りたい人に相性の良い車だと感じました。これらは全モデル(2LT, 3LT, コンバーチブル)で標準装備となっているのもとっても嬉しいです。

音が渋い。さすがアメ車だ! これは個人差が出る所だと思いますが、「V8ミッドシップエンジンで真後ろにエンジンがあるんだからどんな音が聞けるだろう!」と思っていると--まず車内から聞こえるエンジン音はそこまで気持ちが昂るような音ではありませんでした。ランボルギーニやフェラーリみたいな甲高いV8の音ではなくスポーツモードにしても音量は意外と静か、というかちょっぴり物足りなさを覚えました(最後に乗ったスーパーカーは最後の自然吸気エンジンのフェラーリ458で、低速でもあの甲高いV8が鳴り響くエンジン音の印象が強すぎたのかも)。

エンジン音はイマイチ

そして車外に出てみると、自分が運転している時には分からなかったたエキゾーストサウンドがスーパー渋く、こんな音だったのかと笑顔が溢れました(笑)。「さすがアメ車!」と言わんばかりの音で、「V8エンジンでこんな音が出るんだ! 低音が響いてまるで獰猛なライオンが鳴いてるみたい!」と感動もしたけれど、個人的には純粋に好みじゃなかったです。(おそらく初めて聞く女性はただ”うるさく”思えてしまう音に感じるのではないかと思ったほど。だからこそ走行モードを変えられる使仕様はありがたい!)。

●やっぱり後ろが見にくい 視認性について、まずはフロント。ボンネット、ステアリングホイール、インストルメントパネルを低位置に配置したことで、前方視界が幅広で見やすく、私はいつも初めて乗る車は車幅をつかみにくいと感じる為にシートを一番上まで上げて乗るのが私のスタイルなのですが、ノーズが短くなったことも相まってそんなことをしなくとも周囲が見やすく驚きました。

でも完璧な車は世の中ないのかもしれない、と思わさせられたのが車線変更でした。見ての通り後方の視認性は悪く、丁度サイドウインドウの後ろにある三角窓のデルタウインドウに車が隠れて死角にすっぽり入ってしまい車線変更には気を遣いました。デルタウインドウは黒く見えなくなっているので、窓ガラスになっていたらいいのにな、と思いましたが、未来のマイナーチェンジに期待です!

下のグレードは電動格納ハードトップではない 新型コルベットの3つのグレードのうち一番上のグレードのコンバーチブルは電動格納ハードトップが初めて採用され、約48km/h以下の速度であれば、走行中でも16秒で開閉ができるようになっており、晴れの日にぜひ使いたい機能なのですが、下2つのグレードは従来通り、手でルーフを外さないといけない仕様になっております。

オープンカーにする時は運転座席と助手席の後ろにあるレバーを引いて分離させ、取り外したルーフトップはエンジンルームの後ろにあるトランクルームに入れるというもの。トランクに何か大きな物を入れていたらオープンタイプにはできない等のネガな要素はあり、スーパーカーのようにいつでもどこでもワンタッチで「ぽちっとな」が下のグレードでも出来ないのが少し残念ですが、スーパーカーのようにチタンやカーボンなどの軽量素材を多用することはなくとも、軽量化のために手動で外すと言われれば納得しちゃいます。でも面倒くさいことには変わりないのは😌笑

ここで残念なポイントとして3つをあげましたが、個人的にこの3つもコルベットの「個性」--いや「愛嬌」に思えてくるほど宇宙までぶっ飛んで行けそうな高揚感を覚えるドライビングの感覚は最高でした。そんなコルベットは2LTクーペで1180万円、3LTクーペで1400万円、コンバーチブルで1500万円。この新型コルベットは普段からサーキットでスポーツ走行を楽しみたい人、渋い低音が好きな人、スーパーカーに憧れる人、コスパがいい車が好きな人に胸を張っておすすめできる一台です!

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