日本の将来を考える

昨日まで開催されていた『人とクルマのテクノロジー展2010』で少しばかりウナッた。東芝のブースに行って若い説明担当
の人に「正極には何を使っているんですか?」とオーソドックスな質問からしてみた。するとどうよ! 「正極の材料は言えません」。あらら??? だって東芝自身、公表してるのに。

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展示会でお客さんにケンカ売ってちゃアカンでしょう

SCiBバッテリー
の正極は一般的なコバルト酸リチウム(いわゆるコバルト系)。ながら、負極にチタン酸リチウムを使っているのが特徴。こら話になりませんね、と「解る人はいますか?」と聞いたら「いません」。あらら? 何で展示会をやってるのだろう。東芝のバッテリー使うメーカーが無いの、解ります。

続いてスバルのアイサイト用のCCDカメラを展示している日立に行き、これまた挨拶がてら「このカメラの画素数はどのくらいですか?」と聞いたら「お答え出来ません」だって。あらら? スバルが30万画素のモノクロだと言ってるのに。「30万画素じゃないんですか?」と聞いたら「そうです」。どうしたもんだろ
う。

アイサイトの人体実験レポートは
ちらからお読み下さい

明電舎ではi-MiEV用のモーターを展示していた。定格25kW(34馬力)と表示して
あったので、カタログ出力の47kW(軽自動車の自主規制である64馬力)との関係を聞くと、納得の行く答え無し。彼が言うには、64馬力を連続して出せるの、60秒だという。詳細は三菱自動車に聞くしかあるまい。

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i-MiEVが明電舎のモーターを使ってるの、初めて知った

好意的に解釈すると、取引先のメーカーの担当者は別の機会にこういった技術のプレゼンをしているため、展示会でアピールする必要ない、ということなのかもしれない。だったら展示会に出展するの、お金のムダ使いかと。そんなこんなで、半日くらい歩き回ったけれど、新しい情報など皆無。

一つだけ面白かったのは村田製作所のDC-DCコンバーター。若手の説明員に聞くと全く要領を得ない。やがて50歳前後の方が話に加わってきて、有用&興味深い情報もたくさん聞けました。話のやりとりあれば、向こう側もお客の側から様々な情報を引き出せる(なんせ客の大半はプロです)。

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薬指の左側が
DC-DCコンバーター。驚くほど小さい

総じて若い説明員のレベル低い。知らない人との会話にはリスクを伴うが、得るモノだって多い。20年くらい前は若い人の方が何でもしゃべってくれるから面白かったのに。中国や韓国の技術者はムカシの日本と同じく若いほど饒舌。日本の元気の無さとオーバーラップし、寂しい気分でございました。

総合的に評価すると、絶対的な性能や快適性を重視した20世紀的なクルマを作る技術などは素晴らしいと感じた。けれど次世代のクルマを作る技術となれば、現時点じゃ若干リードしているものの、中国や韓国勢に追いつかれてしまうかもしれません。もしかして若い人たちは人見知りが激しいのか?

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5 Responses to “日本の将来を考える”

  1. 阪神ファン より:

    技術系でない人が説明員をしているのでしょうか?、それとも『喋るな』と指示されているのでしょうか?。どこのメーカーも似たような回答方法ということは何かありそうですね。
    ところで個人的な話ですが、数年前に愛車のヘッドライト内が洗車後に結露。高圧洗浄機は使用しておらず一般的な水道ホースでの洗車。また新車購入で事故歴もありません。
    すでに10年近く経過していましたが念のため、お客様相談室へ電話すると女性が対応。
    『だいたい何年程度気密性が持つように設計されているのですか?』と質問。
    すると『わかりません』という回答。
    それどころか、『購入後すぐに結露してもおかしくない』という回答。その他、いろいろやりとりをしましたが、信じられない回答ばかりでした。この程度なんでしょうかねぇ・・・。

  2. MCタイチ より:

    出品者としての経験から、この状況何となく判ります(^^;僕も三菱時代にモーターショーの説明員として駆り出された経験がありますが、事前研修などは何も無く、数日前に小さな総合パンフレットを渡されただけ。一応当時の職制上、乗用車で外人担当という事になっていましたが、受付に立っていればお客さんはそんな事区別しません。「天然ガス(だったかな?)のバスは何処ですか?」と訊かれて「いや、ちょっと判りません・・・」と大恥をかきました。
    こうしたコンベンションは自社製品を売り込む絶好の機会だし、そもそもそのために出品するはずなんですが、大手メーカーは消化試合くらいにしか考えていないようです。最近もモーターショーの類に客として行き、メーカの社員と思しきスタッフに割と旬な質問からするんですが、それすら答えられない事が多いですね。
    基本的に日本の大手メーカは未だに殿様商売なんだと思います。グローバルな競争の中に自分がいるという自覚が足りていない。「高品質を売りに新興国と差別化を」とか言われても「単に動きが遅いだけだろ」と思ってしまうのはその為です。

  3. ケイイチ より:

    また失礼いたします。確かに即答していただけないのは寂しい気がしますね。ところで・・それ、韓国や中国など新興国に対する情報漏洩に対して神経質になっている影響ではありませんか?。私達・・・見かけは変わりませんし、日本人でも警戒されて気安く説明できない指示が出ているのかもしれませんね。現在の電気自動車に関する技術は、最近のライバルが急迫する脅威を駆逐?すべく渾身の力を期待しているものではありませんか。だから・・上司以外は不用意に説明しないように通達されていても不思議はありません。積極性に欠けてみえるのも・・無理はないのかも。些細なことからコピーされてしまう損失に神経質なのでしょう。      ちなみに、前回モーターショーでマキタのブースにて質問いたしましたら、とても丁寧に説明してくださって嬉しかったです(日曜大工機器どころか、某社スーパーバイクにいたるまで技術が生かされているとは驚き!!)。創意工夫は最大の武器です。しかし、最近の日本教育は均質と無難さのオンパレード。ある意味で中国を揶揄するパクリ型が尊重されていませんか。諸外国から極端に影響されやすく・・・聖徳太子が制定した冠位十二階から十七条の憲法に至るまで・・輸入テキストの産物と言えなくもない。哲学や政治も法律だって模倣が原点で近代化をしてきましたから、中国批判は内省的な自己嫌悪に近い感情とも見受けられます。いまや模倣される側ですから嬉しい悲鳴か?。ただし、資源と工業力が旺盛ならば、かなりの内容で物量に有利な側が勝利します。このあたり中国人はクルマ文化が未熟故に、疑問も抱かずに・・模倣車両を購入するでしょう。質的に劣ると説明しても、何が品質かも知らない人々には外観や容易く入手できる価格がすべて。厳密なコストの制御にはコピーが最短とされる訳です。   これ大差なく・・そのまま日本の姿と変わりません。インターネット時代、世界の情報はボーダレス。ましてミニコミが集まって?マスコミ化するなんて当たり前。いかに他人と寸分変わらぬ答えを書けと求められた学生は、社会に出ても相違や差異を拒否または危惧しやしませんか?。お手本尊重・・・(果ては人格まで)違えば仲間はずれの人間関係。人間が発達する重要なファクターが完全にスポイルされた状態で・・・自由や意志を語るのは難しい世の中です。国沢さんには頼もしいお弟子さんがいらっしゃるから、国沢流儀と申しますか?、ユニークで厚みのある活動や見識を備えた匠の評論家としてデビュー間近でしょう。  危機的状況の日本クルマ業界をブレイクする!革新的な疾風を期待しております。  

  4. ケイイチ より:

    また失礼いたします。阪神ファン様のコメントにあるマルチリフレクターのヘッドライト内に結露・・・というお話。軽い症状でしたが私にも経験があります
    。   その際?どう対処したかと申しますと、裏のバルブとカバー(ゴムの)を外し、強力な掃除機を穴に繋ぎました。
    思い切り吸い込んだせいか、水分の原因(湿気)が排除できて以後は結露もなくなりました。  気密不足の漏れは?ともかく、何かの原因で内部に混入した僅かな水分も結露を起こしやすいようです。それから私は、バルブ交換は湿度の低い晴れた日に行うようにしています(なるべく、悪い因子が揃わないように、ついでにゴムカバーは裏表に艶出し剤で綺麗に清掃)。   ちょっとアナログな方法ですが、他の方も結露でお困りになられることがあるんですね・・・まずは参考までに。
      

  5. F-5 より:

    うっかりリークが怖くって外部の人との会話を警戒しているんですね。
    どこまでリークして良いか、失った以上に得るもの(技術情報or営業チャンス)が有るか?の判断を避けて安全側に逃げているわけですが、これは若い人に決裁権が与えられていないと言う事なのではないでしょうか?
    昔は情報管理マニュアルなんかは無くすべてが大雑把な中で色々と失敗しながら成長する機会があったのですがね。
    確かにこれでは人は育ちません。

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