日本勢厳しい? BYDの価格設定次第じゃ電気自動車に対する補助金の大幅見直しもあり得る!

BYDの日本戦略はかなり本格的である。新規参入にありがちなネット販売じゃなく、日本のスタイルに合わせ全国に100店舗ほどのディーラーを立ち上げるそうな。やはりクルマって壊れます。その時に修理してくれるディーラーがないと厳しい。テスラのように修理に時間掛かったり、驚くほど高い板金修理の見積もりを見ても許容するお金持ちユーザーばかりじゃないですから。

BYDそのものも皆さん考えているよりずっとレベル高い。高温テストはデスバレーに勝るとも劣らない劣悪な環境にあるトルファン近郊で行い(この時期は連続40度超え。最高50度にもなる)、冷寒地テスト試験もマイナス40度を下回る地域を行っている。板金部品の金型は日本の技術で作ってるし(オギハラを買収した)。日進月歩でクルマのレベルは上がっている。

しかもリン酸鉄リチウム電池の安全性や耐久性は抜群だ。気になるのは噛み付きそうな『ドルフィン』とネーミングされたコンパクトカー。ベースグレードは電池搭載量44,9kWhで航続距離386km。実際の航続距離を300kmだとすれば、充放電回数を3000回と少なめに見積もっても90万kmという使い切れない寿命を持つ。問題は価格。現地だと200万円程度で販売されてます。

ボディサイズはヤリスやノートと同じBセグ。もし250万円くらいで出してきたら、補助金無しだってエネルギーコストの差を考えたらイーブン。さらに今年の補助金と同等レベルが出たら、200万円を切ってくる。安ければ電気自動車のニーズあることをSAKURAは証明してます。クルマの仕上がりが良ければ(アイフォーンだって中国製だ)、侮れない存在になると思う。

そこで問題になってくるのが補助金。当然ながら日本車と中国車で補助金の額を変えることなどできまい。しかも絶対的な予算の上限だったある。実際,今年度は11月下旬に予算切れになると言われているほど。来年度、補助金使うと魅力的な価格になる中国車がドカンと出てきたら、補助金あっという間に予算切れになっちゃう。となると補助金を減らす以外手はない。

日本勢は補助金を考えた価格設定をしている。中国勢の台頭で補助金を減額するようになったら、一段と日本勢は厳しくなっていく。こういった点からも日本の”堤防”に穴が空いていく。日本勢にとって喫緊の課題は「安価な電池を調達すること」だ。全個体電池の夢を見ているのもいいけれど、リン酸鉄リチウム電池という現実的な解を選ぶのも手かと。

 

 

 

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