日産、欧州市場戦略を大幅縮小へ。遠からず日産本体も撤退することになると思う。残念!

元日の読売新聞は日産が欧州市場で縮小均衡策を取ると報じた。私は2019年7月あたりから深刻な状況だと考えてます。直近の数字を見ると2年前に比べ欧州全体での販売台数は3割ダウン。新型コロナの影響がほとんどない2020年3月期決算に於ける日産の営業赤字額400億円のウチ、290億円が欧州市場での赤字だ。こういった時の対応策は2つ。1)抜本的な対策を打つ。2)縮小均衡、です。

日産は縮小均衡を選んだ。いくつか理由あると思う。スペイン工場を畳み、イギリス工場を残したものの、イギリスのEU脱会により生産コストの上昇を避けられず非常に厳しい状況。さらに欧州本土側も生産コストの高いルノーの工場でクルマ作りをしなければならず生産コスト高に直面する。そして決定的なのが日産のブランドイメージ低下。もはや日産のブランドイメージ、薄れる一方です。

1990年代までの日産はWRCに代表されるラリー参戦を地道に続けていたし、ル・マンでも存在感を見せた。されどゴーン体制になってから日産本体でのモータースポーツ参戦は遠のく。ルノーのF1活動(直近はインフィニティ)にお金を出したり、同じくルノー絡みでル・マンのLMP2にエンジンを出していたものの、日産ブランドについちゃ活動無し。売れなくなって当然かと。

何度も書いてきた通り欧州でファミリーカーを売ろうとしたらラリー参戦が絶対条件だ(御予算潤沢にあればF1やル・マンで勝つことも良い)。皆さん信じないかもしれないけれど、事実なんだから仕方ない。クルマのブランドイメージ、モータースポーツじゃないと絶対に作れないのだった。私が日産のシャチョウなら、迷うことなくマイクラでWRCの2番目クラスに参戦します。

参考までに書いておくと、トヨタはWRCにカムバックしてからずっとシェアを伸ばしている。今回の縮小均衡策、モータースポーツに戻らない限りさらなる縮小均衡が必要になってくるだろう。今年から中国製の電池を搭載したリーズナブルな電気自動車も欧州の自動車メーカーから出てくるようだ。縮小均衡策で足元が弱くなっている日産からすれば真正面から勝負する気無し。

繰り返す。私が日産の経営陣だったら2021年からマイクラと同時にリーフで欧州のラリー参戦も始める。1年真剣に開発していけば、けっこうなポテンシャルになると思う。絶対的な予算からすればタイしたことないです。国際格式のラリーに参戦出来るフル溶接構造のロールケージ組んだリーフのラリーカー、私ですら作れたくらいですから。単純にヤル気無いだけ。

そのくらいの意気込みが無ければ欧州で戦えるワケない。読売新聞のスクープによれば主要5カ国と北欧を除き、ルノーか代理店か商社に販売委託するとなっているが、そんなことしたらさらに販売台数減る。電気自動車が売れている北欧もライバルの登場により厳しい戦いになること間違いなし。このままだと日産本体は欧州市場から撤退することになるだろう。ホンダも同じ流れです。

我が国の自動車メーカーが負けていくのを目の当たりにするのは辛いです。

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