日産、11日の取締役会で内田さん退任を決めると言われているけれど、果たして
内田さんがレームダック状態になっているのは100%間違いない。6日の指名委員会でもそういった結論になったと思う。次は11日の取締役会で次期社長を巡る話合いになる。ここで難しいのが次期社長選びだ。5名いる指名委員の委員長は、ソニーの会長まで上り詰めたアンドリュー・ハウスさんという社外取締役。いろんな意味で普通の考え方が出来ると思う。残る4人も常識派。
オレンジの人が指名委員
取締役会は12人である。いわゆる”日産の人”が内田さんを筆頭に4人。それ以外、全て社外取締役となる。皆さん素晴らしい経歴をお持ちだ。問題は素晴らしい経歴の皆さんが、どうして今の日産の状況を作り出してしまったか、です。考えて頂きたい。日産の格付けを「ジャンク」にまで落とす原因を作った人に経営を任せる気になんかなれないかと。社外取締役は名誉も信用を失う。
もっといえば、今回の取締役会が『最後の審判』でもある。社外取締役の皆さんは、第3者から見て納得出来る発言をしない限り社会的な終了を意味します。今までのキャリアを潰す。プライドだってある。開き直った発言大会になることは間違いない。やっと本音での論議が始まるだろう。おそらく内田さんは解任。ただ次の社長を決めることが難しいんじゃなかろうか。
ウワサに出ているジェレミー・パパンさんはアメリカで日産のビジネスを躓かせた。イヴァン・エスピノーザさんって日産の商品計画担当です。これまた今の日産の状況を作り出した。3人の副社長を含め、内田体制を引っ張ってきたということを考えたら、皆さんレームダック状態。有能であるはずの取締役の皆さんが、再びダメな経営者を指名するとは思えない。
だったらどうなる? 取締役会のメンバーを見ると、決定的な判断を出来る人が見当たらない。内田さん以下、日産をダメにした人たちが不適格だという判定はするだろうけれど、皆さん自分の会社でもなく、今後どうなったって知ったモンじゃない。自分が恥をかかず逃げられればいいと思っているだけ。愛すべき自動車を作ってきた会社である日産のことなんか考えてないです。
もしかすると皆さん好き放題自己主張し、ナニも決めないという可能性だってある。その場合、内田さん続投。将棋というゲームは、ルールで言えば王将を取られるまで「負け」じゃない。10手先で詰んでいても、ゆっくり指しておけば制限時間一杯まで勝負は付かないのだった。今の日産を見てるとそんな感じ。すでに詰んでいる。でも他に手がなく、王将を取られるまで負けない。
文字通りラビリンスに迷い込んだ。モタモタしているウチ、円高は進み収益が急減。メキシコの工場をアメリカに移転するような巨額な投資を必要とする決断もしなくちゃらならない。
<おすすめ記事>