日産は自力再建出来るのか? 今の規模のままだと不可能。全てを半分にして何とかという状況です
ホンダとの協業をキャンセルする日産は、自力再建が可能だろうか? 結論から書くと、可能だと思うけれど相当の痛みが伴う。なんせ2019年に565万台だった世界販売台数は2024年で335万台まで落ちてしまった。国内販売もゴーン時代の2016年は60万台程度だったのが、2024年は48万台。内田体制になった2019年も57万台を売っていた。今後挽回出来るか?
一番の課題は新型車を出せないことにある。昨年日本市場に投入した新型車ゼロ。今年も大物は無いと考えていい。もっといえば売れ筋になっているセレナを見ると、基本的なプラットフォームは20年以上前。ライバルのノアと比べたら、割高なのに全ての評価項目で負けている。それでいて日産のラインナップの中じゃ新しい。ノアの納期が短くなったら売れないと思う。
ノートも4年目。本来なら2027年あたりにフルモデルチェンジしなければならないのだけれど、ルノーのプラットフォームを使っていることもあり開発が止まっているようだ。いずれにしろ新型車が出てくるとしても2027年で、フルモデルチェンジレベルの刷新になるかと言えば「せいぜい大きなマイナーチェンジ」レベルに留まると考えていいだろう。
国内販売についていえば、トヨタ&ダイハツの納期次第で一段と落ちる。現在の規模のディーラーを維持することなど不可能。以前書いた通り営業をAI対応としてクルマの価格を下げるなど(営業担当の人件費など考えたら販売マージンを大幅に引き下げられる。それを価格に反映させればいい)、今までのビジネススタイルを一新しなければ立ちゆかない。
中国は撤退戦です。エクストレイル大失敗し、シルフィも厳しい。今後投入していく電気自動車群を見ると元気いっぱいの中国勢に勝てると思えない。中国政府は「競争力のない企業は淘汰されてやむなし」と割り切ってます。日産の競争力、今のままだと無い。東風日産とヴェヌーシアは工場を売却することになるだろう。1元でも高く売れたら上々だ。
一番厳しいのがアメリカだ。インセンティブ(販売奨励金)無しで売れるハイブリッド車のラインナップ持たず、電気自動車は補助金を打ち切られた。メキシコ工場から持ってくるクルマについちゃ25%までいかなくても関税を掛けられると思う。その上で円高になろうものならトリプルパンチ。日産単独でアメリカ市場を建て直すのは相当難しい。
ここまで書いてきて「無理か~」と考えたりして。
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最後の1行でチカラが抜けました(笑)