日産復権の主役、第三世代eパワーってなんでしょ?

先日行われたスリークオーターの決算発表会で日産は2025年度に(2026年になると思う)出すと公表した。どうやらTOPバッターは欧州市場向けキャシュカイらしい。現在販売している第二世代より燃費(当然ながらWLTCだと思う)が10%向上。なかでも弱点と言われている高速燃費は15%も向上するとなっている。2024年3月の「The Arc」より進化した。

下は「The Arc」で発表されたもの。第一世代より燃費は10%向上するとある。市場導入はアメリカで2026年とな。整合性無し。下と同じ内容の話を日産のエンジニアから2023年あたりに聞いたことがある。どうなっているんだろう? そもそも燃費は実用燃費に限りなく近い欧州NEDCモードなのか、割と厳しいEPAなのかWLTPなのか書かれていない。

まぁここは高速燃費と表記されているため、120km/h程度の燃費としておこう。この速度域で15%向上させようとしたら、熱効率の改善なんかじゃとうてい間に合わない。なぜか? eパワー用のエンジンは第二世代で40%に達している(と日産は言っている)。これを50%にすると言っているけれど、ここの10%だと高速燃費を15%伸ばせないです。

こらもう直結モードを加えるしかない。そもそもeパワーのレイアウトを見ると、クランクシャフトの真横に駆動用モーターがある。日産のエンジン技術って世界TOPクラスである。第一世代を開発する際、直結モードを導入することを100%考えていたと思う。最初に導入しなかった理由はコストと燃費改善効果が折り合わなかったためだろう。

第一世代は時間と開発コストを掛けられなかった。しかも走行速度が低い日本専用である。とにかく早く出したかった。良い選択です。エンジン屋さんは第二世代で直結モードを考えていたことだろう。されど第一世代が成功してしまう。技術もクルマも知らない役員から「お金掛かるのなら今のままやりなさい! き~っ!」と強い強いプレッシャー掛かる。

言質取ってあるけれど今となったら誰でもいい。ということで慌てて直結モードをリスタートさせたんだと思う。やる気になればけっこう早いです。とはいえ当初予定で2026年のアメリカ。それを欧州にした。1.4リッターの方が直結にしやすいということなんだろう(すでに開発済みで凍結していたと予想)。コスト低減にはマイナス要因だと思いますが。

そろそろこのあたりで日産再興のメンバーを考えみよう。今まで出る釘は抜かれそうだったので書かなかったけれど、ここまでくれば心配なし。そればかりか希望がないとやっていけないです。ということでパワーユニットはNISMOにいる木賀新一さん。この人凄いです。デザインが森田充儀さんで決まり。販売に「クルマの売り方」を知ってる神⽥昌明さん。

日産の人ならうなづいてくれると思います。あとは3年分の運転資金を引っ張ってこられる社長さえいれば十分イケる。国に頼らないことです。追記・社長交代ならホンダ再交渉というニュースが流れ、日産の株価も上がっているけれど、社長だけじゃなく副社長達や、ナニしてんだか解らない外国人の役員も全てお役御免にしない限りダメかと。

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4 Responses to “日産復権の主役、第三世代eパワーってなんでしょ?”

  1. 昔のベストカー読者 より:

     最近の国沢さんは もうほとんど業界コンサルタントですね 45年のキャリアって凄いです。

     今年に入ってクルマ関係のニュースで 印象的だった話があって それは 日本の商社で自動車担当リサーチをしている人の発言でした アジアでのEV中古車市場についてのコメントなんです 要はBYDの中古車に値が付かないという事だと思うんですが EVの中古車市場が形成されていないと強調されていたのが印象的でした
     これが何を意味するのか? 
    アフターマーケットは正直ですよね。

     

     

  2. アクシオム より:

    The Arcなどの中期経営計画で、商品計画や技術的なロードマップみたいなものが、マツダみたいに示してあればいいんですが、いかんせん日産にはそういう詳しく具体的なものを示せるものがないんですよね。
    直結モードはよく話題になるけど、エンジンとモーターの間に介在するものがどんなものかわかりませんね。CVTやトルコンATみたいなミッションなのか、はたまたホンダのようなシステムなのか。そうなると、シリーズ式ハイブリッドであるe-POWERって、パラレル/シリーズになるのか?

    日産再興のメンバーに、デザインの森田さんが入っているようですが、いすゞ時代から存じていて、もちろん中村史郎さんの部下だったし、いすゞ時代はモデラ―としてビークロスを手掛けていましたね。まさかZ34チーフデザイナーの谷中さんとともに、ビークロスのデザインスタッフが、Zを手掛けるとは思いませんでした。感慨深いです。

  3. アミーゴ5号リボーン より:

    日産のe-Power、先を睨んだ基本設計だったのですね。ハイブリッドでは、トヨタやホンダに先行された日産です。技術屋さんからしたら、そりゃあ「今に見ていろ!」だったでしょう!

    やはりこの芽を潰した、というか潰し続けた現社長と両副社長、更に取締役会のメンバー達は、万死に値すると言わざるを得ません。

    「んっ、それは結果論でしょう!?」「我々は、最善の判断をしてきましたよ!」ですって? そーでしょう、そーでしょう。でも判断に対する未来の結果責任を背負ってるのが、取締役ってやつ。あんた達のように、目先のリスクを負わない判断なら、ド素人のオイラもできまっせ!

    だいたいですよ、
    「日産の内田社長が辞めたら、ホンダは提携を再検討する」なんて、こんな全世界に向けた辱めの極致のような報道は、今まで見たことも聞いたこともない。

    そもそもホンダの夢追い社長は「日産の魅力は??? TOPも考えたことがない」と天然含みで答えている程で、トットと縁を切りたがっているのは見え見え。ホンダこそ、日産と手が切れてせいせいしていると思いますヨ。

    でももしこの報道が本当なら、もはや裏で経産省が画策しているとしか思えません。日産を日本に留めるには、もはやホンダと組ませるしかない。しかし大株主のルノーは、筆頭株主兼取締役として日産凋落の片棒を担いできたため、今更自己否定できない。そこで、内田社長に大恥をかかせて強制退陣させる!という大技に出たとのだと、勝手に妄想しております。はい。

    ちなみに、こんなにも日産をボロボロにしたのに、未だ寄生虫のように会社にしがみつき、特にホンダ子会社化に反対した社長以下の取締役に対し、今後は「寄生役員」と呼ぶことにしたいと思います。

    けど今辞めても、「寄生役員」はこれまでガッポリ貰ってきたから、余生はウッハウハなんだよね。その反面、真面目に仕事をしてきたのに、人員削減とか効率化の憂き目に遭う社員や関係者がいると思うと、心底腹が立つ!!!

    ちなみにですよ、
    賛成票を投じたお二人は、どの立場のどなたなのかしら? 是非知りたいです。

  4. KUMA より:

    日産エンジニアさん、直結モードをちゃんと考えていたんですね。
    だとすると、「ホンダのe:HEVと何が違うんだ」でセンスの無い役員会に突っぱねられていたんでしょう(笑

    先日、日産の若手中堅社員さんの話を聞きましたが、業績が悪いからといって特に暇だとか、仕事が無いとかではなく、業績が良かった頃と変わらず忙しいそうです。
    役員を変えて、談合を繰り返す購買部をシャキッと改革すれば、すぐにでも再浮上できそうです。

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