果たしてプリウスPHVは売れるか?
欧州で流行っているPHVは厳しくなる一方の燃費規制をクリアするための技術である。燃費の悪い高性能モデルにPHVを導入しカタログ燃費を向上させましょうや、というのが狙い。今やPHV技術無しだと高性能車は生き残れない状況になってきた。したがって「高くてもOK」。
一方、アメリカは現時点で中途半端な存在になってしまっている。本来ならZEV規制(排気ガスを出してはいけないクルマを一定数販売する)をクリアするための技術ながら、50km程度の航続距離だとZEVとしちゃ厳しい。300kmくらい電気だけで走れた後の、緊急用エンジンという位置づけ。
ということでプリウスPHVのようなクルマは欧州だとニーズ無し。アメリカの都市部に限り『カープールレーン』(本来なら2人以上乗っているクルマの専用レーン。ただEVとPHVなら1人乗りで走行可能)を走れるというメリットがあるため、ソコソコのニーズはあるかもしれません。
トヨタ自身「販売台数の半分は日本」と言っているため、それほどアメリカで売れるとは考えていないようである。果たしてPHVに未来はあるか? 「ある」と思う。アウトランダーPHEVに乗っている私がそう感じているのだから間違いなし。やはりPHVはEVよりずっとストレスなく使える。
課題は価格とEV航続距離だ。航続距離50km程度だと旨みは少ない。というか、50km程度だと標準車の20万円高くらいに抑えなければ高い分のモトが取れません。100kmくらい走れ、標準車の40万円高くらいの価格に収まってくれば本格的な普及が始まると思う。
新しいプリウスPHVの残念なところは、先代が売れなかった理由をキッチリ認識できなかった点にあると思う。デザインを変えれば実質的に60万円高くても売れるだろうと考えたのだろうが、それだけじゃサイフのヒモは緩まない。もの凄く性能良いとか、一回り大きくするとか。
トヨタのPHVが普及するにはもう少し掛かりそうである。
<おすすめ記事>