民間と役所の違いがハッキリ見える!

燃料電池と自動ブレーキの件で、今まで何となく感じていた民間と役所の違いが鮮やかに理解出来た。

例えば燃料電池。こいつが普及するかどうかは、ユーザーが魅力を感じる車体と、燃料となる水素のインフラ作りに掛かっている。このウチ、前者は民間。後者を役所で担当します。

民間は文字通り一生懸命だ。開発をスタートさせる時点で莫大な投資を覚悟しなければならず、失敗すれば即座に損失になってしまう。当然ながら相当の意気込みを持ってプロジェクトを開始。始めたら失敗は許されない! というか失敗したら出世コースから外れる。

役所は予算の範囲でリスク無しにプロシェクトをスタート出来る。つまり担当者や為政者の気分次第。ベンチャーみたいな冒険だって可能だ。しかも失敗したって誰が責任を取るのか明確にならないようになっている。水素インフラに予算付け、失敗したら「あ~あ」でオシマイですワな。

こらもう水素だけでなく全てのプロジェクトに当てはまること。やりたいと思ったことを適当な資料を作り、バラ色の将来図なんか書く。投入するのは税金だからして、失敗したって平気。100個失敗しても1個成功したら「よくやった!」と大いにホメられるから興味深い。

自動ブレーキの件は違う仕組みである。民間は生き残りを賭け、安全性に関わるようなことであっても多少のリスクを覚悟し新しい商品を開発しなければならない。いや、現実を見てると「生き残りを掛け」はタテマエで、ホンネは「夢の追求」です。夢を見るから落ちるのを承知で飛行機だって作る。

役人は「安全」に代表される「人の命」が掛かったプロシェクトを嫌う。役人の世界じゃ原理主義が正義。実際、ナニかあった時に論破出来るの、原理主義です。「自動ブレーキなんか認可して止まれなかったらどうする?」と言われたら「じゃ先送りにしておきましょう」が一番無難。

かくして水素インフラにゃ簡単に予算が付き、自動ブレーキは認可しないとい状況になる。ただ戦後復興期の歴史を見ると、夢のある役人が少なからず居たようだ。自分の立場など気にせず前向きな仕事をしていた役人と、やる気のある民間企業が組めば鬼に金棒なのに。

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