空飛ぶクルマ、ドローンと同じく中国企業が実用化し市場を席巻するか?

最近「空飛ぶクルマ」という乗り物が話題に上がる。そもそもクルマは「車輪」を使って移動する乗り物であり、ドローンの親玉みたいな形状見ると地面を転がりながら移動することなど考えていない。マジな話、なんで空飛ぶクルマなのかといえば英語の「フライングカー」を訳しているんだと思う。透明のワインを何の躊躇や疑問もなしに英語のまんま「白ワイン」と言うのと同じか。

トヨタが出資している大型タイプ

それはされおき、乗用ドローン、大阪の万博で実用化する予定らしい。2点間の移動ながら、人も乗せることを想定しているようだ。確かにドローンの安全性や安定性は航空機やヘリコプターを圧倒すると思う。撮影などに使われているドローンを見ても、落ちることは無い。そればかりか、あんな小型な飛翔体なのに強い風をモノともせず飛び、安定している。驚くばかり!

しかも乗用を前提としてるドローンは独立した制御を行える複数のプロペラを備えており、バードストライクなどにより一つ止まっても問題無く運行出来るという。あのくらいの大きさ&速度の物体であれば、万一の際に備えパラシュートを装備したっていい(ヘリコプターはパラシュートを付ける場所ないが、エンジン止まったオートローテーションで降りられます)。

写真/シーラスエアクラフト

ただ日本では難しいと思う。あれだけ成功率の高いH2ロケットに人を乗せられないほど臆病です。大阪万博で乗用ドローンを運用すると聞いた時は「ホントかね!」とぶったまげた。結局、誰も責任が取れないと言うことから実証試験の最終決定は出来ないでいるようだ。さもありなん。今の日本は新しいチャレンジが何も出来ない国になった。自動運転よりはるかに難易度低いと思うのに。

興味深いことにインドや中国は真剣に開発をすすめており、近々量産に入るようだ。インドや中国、道路が整備されていない地域だと20kmの移動に1時間以上掛かってしまう。激しい交通渋滞に巻き込まれたら、10kmを2時間ということだって珍しくない。インドや中国に限らず、タイやベトナム、マレーシアなど東南アジアも状況は同じ。かといってヘリコプターまでの航続距離は不要。

写真/小鵬汽車

撮影用のドローンを実用化したのは中国のDJIという企業で、今だに世界のシェアを独占している。DJIのドローンだって黎明期は操縦するのは難しかったです。中国やインドが実用化して量販を始めたら、あっという間に普及していくような気がする。しかも電池技術は急速に進む。それこそ全固体電池がドローンを変えるゲームチェンジャーになりそうな気がします。

日本でも過疎化が進む地域の輸送手段して考えたら、コスト的に商用化こそ出来ないないまでも、道路の維持が必要になる公的な社会インフラを整えるより総合コストで安くなるだろう。文字通りの孤島である東京都の青ヶ島は八丈島から50km。全固体電池が実用化されれば、ひとっ飛びの距離。乗用ドローンなら救急患者を運べ、海が荒れている日だって物資が届く。

おそらくコンサルから「旦那、これかっこいいですと!」と言われたんだろう。スズキがドローンに熱心。とはいえ「とりあえずやってます」レベルの熱意じゃ勝てない。中国やインドと勝負しようとすれば本腰を入れなければお話にならないと思う。繰り返すけれどドローンのニーズは規制の厳しい欧米ではなく新興国。失敗を平気で踏み越えていける熱意が必要です。

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2 Responses to “空飛ぶクルマ、ドローンと同じく中国企業が実用化し市場を席巻するか?”

  1. AKIO より:

    kunisawaさんは嫌いかもしれませんが
    ホリエモンが良く言うのは、日本で新技術や新しいことにチャレンジすると逮捕されてしまうということですね。
    H2ロケットや人を運ぶドローンにしても
    失敗して死者が出たら犯人探し(原因追求ではなく人をつるし上げる)を始めてしまいますよね。
    2000年代初頭のWinny事件なんかまさにそれで
    ファイル交換ソフトとしてはものすごく優秀なソフトで
    後に開発者の金子氏が逮捕されるというニュース(モンスター田島氏と同じ)がありましたが最高裁で無罪が確定しています。
    このソフトを使用して逆に著作権の効いたファイル交換を日本がリードするチャンスだったのにアップルやアメリカの他のソフトウエアに持っていかれてしまいました。

  2. Tomo より:

    この手の乗り物、飛行管制をどのように行うのか?と思っていましましたが、2点間の定期輸送であれば1ヶ所のコントロールセンターで遠隔操縦と管制業務をこなす事が出来そうですね。

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