米ボルグワーナー、BYDのFLP電池をアメリカや欧州で生産へ。民間は強い! 日本も頑張ろう

やっぱそうなりますね~と思った。アメリカの伝統ある部品メーカーであるボルグワーナー(ミッションで有名ですね)がBYDと手を組み、中国の得意技術であるリン酸鉄リチウム電池の生産を行うという。ボルグワーナーは純粋なるアメリカの企業。中国製の部品を使わなければアメリカや欧州に工場作り、そいつをアメリカや欧州の自動車メーカーに販売出来る。

BYDとしてみればマクドナルドやコカコーラの本社と同じ稼ぎ方が可能。食材は全て現地で調達。ノレン代(知的所有権)を貰えばいい。ボルグワーナーとしても、変速機やタービンを作っている企業のままじゃ座して死を待つのみ。モノツクリの技術や土俵を持っているため、自動車メーカーのリクエストに応じて電池パックを開発。電池に付加価値を付けて売れる。

これ、どういったことを意味するか? 電池を自社生産出来ない自動車メーカーは、居抜きでパワーパッケージを買うことになる。全固体電池に代表される次世代電池が普及するまでの間(私は短くて10年。まぁ20年と考えます)、自動車用はリン酸リチウムになると思う。けれど自動車メーカーでリン酸鉄電池を作ると表明してるの、トヨタだけだったりする。

BYDと勝負できるの、トヨタのバイポーラくらいか?

ホンダも日産もうわごとのように「ゼンコタイゼンコタイ」。それまでは三元系リチウムで乗り切ろうとしている。ホンダがカナダで立ち上げる電池プロジェクトだって耐久性の課題を抱える三元系リチウムです。BYDのダイナミックな動き方を見ると、提携先はボルグワーナーだけじゃないと考える。もう2~3社と手を組むんじゃなかろうか。この流れに皆さん乗る。

アメリカや欧州の自動車メーカーは安価で耐久性あって安全なリン酸鉄リチウムに乗り換えることだろう。トヨタ以外の日本勢はどうするんだろう? ここまで読んで私と同世代以上の人なら「ベータvsVHSみたいですね」。その通り。ベータの方が性能よかったけれど、VHSは使い勝手で勝ったのだった。日本の電池屋さん、なぜかリン酸鉄リチウムを超バカにしてます。

もちろんVHSも廃れたように、その次の世代はさらに高性能です、きっと。 

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2 Responses to “米ボルグワーナー、BYDのFLP電池をアメリカや欧州で生産へ。民間は強い! 日本も頑張ろう”

  1. トヨタ車ユーザー より:

    日系メーカーのEVトラックのモーターや駆動系でボルグワーナー製のがありました。ボルグワーナーとしては製品ラインナップのためにぜひともセットで売れる電池は欲しかったでしょう。扱いの楽なリン酸鉄ならトラックのような用途ではメンテも楽そうですね。

  2. アミーゴ5号リボーン より:

    個人的には、全固体電池に大いに期待しています。しかし今だ技術ハードルが高く、市販化は遅れに遅れている印象。

    トヨタのように、リン酸鉄電池をローレンジに据えて取り込む戦略は、リスクヘッジを含めて、極めて有効だと思います。

    それにつけても、リン酸鉄電池をバカにする技術者の皆さん。いろいろな経緯やらジャパンプライドやらがあっての結論だと思います。

    すっかすですよ、
    おいらご本人にお会いしたことはありませんが、様々な本や動画を見る限り、本田宗一郎さんや井深大さんは、技術をリスペクトこそすれ、バカにしたことはないと思います。

    日本の技術者がリン酸鉄をバカにしている限り、全固体なんて夢のまた夢。もっというと、中国に先を越されると実感しました。

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