自動車業界的に言えば円安ドル高って基本的に超大歓迎だったりする。この臨時ボーナスをどう使う?
今更説明するまでも無く自動車メーカーの収益は大半が海外。例えばホンダでいえば、全収益に於ける日本の貢献割合って3%程度しかない。円安ドルになるとどうなるか? 仮にアメリカ工場で生産したアコードがアメリカで1台売れると1000ドルの利益になるとしよう。それを日本に持ってきて円換算すれば、1ドル=100円だと10万円。1ドル=129円なら12万9千円だ!
アメリカ生産車は大儲け!
日本で生産して海外に輸出しているケースだとどうか? 今まで200万円で売れていたクルマが258万円になる! 大儲けです。ここで「円安になるとエネルギーコストや材料の調達コストが上がる!」というトンチンカンな人も居る。確かに輸入資材についちゃ調達コスト上がります。けれど200万円が258万円になったら材料の調達コスト増なんか全て飲み込む!
円安が長く続くと「海外から材料を買って日本で製品化する」というビジネススタイルなら、日本での生産コストが安くなるため国際競争力上がって大儲け出来る。当然ながら「円が安すぎる!」となって円高。すると収益率下がって競争力も落ちてしまう。調子に乗っちゃイケナイです。今の円安はそう長く続かない。国際競争力のある製造業にとっちゃ臨時ボーナスと思うべし。
日本生産で輸出も儲かる!
日本の自動車メーカーは新型コロナ禍や半導体不足などで2022年度の生産台数は10%以上少なくなるだろう。現在の円安を受けて上手に為替予約すれば2022年度の決算は生産台数減を吹き飛ばす好決算になると思う。現在無配の日産や三菱自動車すら株主配当再開になるに違いない。ということで自動車業界の2022年度は大きなダメージを受けないことが確定した。
さて。人間の場合、突如貰った100万円をどうするかで将来は大きく変わる可能性大。企業も同じ。これをため込むだけなら伸びない。かといってギャンブルしたらゼロになっちゃう可能性大。縮小均衡のための投資をした方が良い企業もあると思う。ブランドイメージ作りに使ったら伸びそうな企業だってある。円安タナボタの大収益をどうやって使うか経営陣の手腕が問われます。
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