誰もが納得出来る再建策を打ち出さない限り日産に対する厳しい報道は終わらないと思う

日産に対する厳しい記事が増えてきたのは、しっかりした再建策を出していないからだ。今の日産を取り巻く環境を考えると、まず金策である。資金なければ販売部門の抜本的な戦略だって立てられない。売れるモデルを出せるまでは現在のラインアップに魅力的な価格を付けて(安くする、ということです)延命するしかない。当然ながら利益率落ちるため耐えられる金策です。

売れるクルマが出れば問題は解決するものの、リーフやキックスやエルグランドは徹底的にセンスの無い内田体制下で企画されたモデルのため、そもそも商品力無し。クルマの場合、新しい商品を出そうとしても、開発中のモデルだったとしても最短で2年掛かる。新体制下の新型車ということになれば3年以上です。パワーユニットも同じくらいのリードタイムが必要。

自動車メーカーにとっての「金策の難易度」は期待値で決まる。期待出来れば低金利で資金調達出来る。ちなみに1999年にルノーが行った再建策は、ゴーンさんを送り込んで抜本的な対策を行い、その間に必要な資金は資産の売却などでカバーした。翻って現在の日産を見ると「しっかりした再建策」にほど遠い。そもそもオウンゴールさせた経営陣を残してます。

なるほど内田社長や星野、坂本、中畔副社長は戦犯として追放された。けれど破綻に向かう日産の財務を見ていたマーという最高責任者は同じくらい日産の足を引っ張ったのに中国の担当になり生き延びている。日々厳しくなっていく日産の状況を看過していた社外取締役も全員残っています。もちろん有能な人は残るべきだろうけれど、全て残ったら反省無しということになる。

日産にとって重要なのは「悪い奴を捕まえることだけをゴールにする日本の交通事故の取り調べ」じゃなく「原因を追及し徹底的な再発防止策を練る航空機事故の原因調査」だと思う。今のようになった原因を徹底的に調査すれば、無能な輩や足を引っ張った輩を簡単にあぶり出せることだろう。日本の交通事故のように「スピードの出し過ぎでハンドルを切り損ねた」だと対策など出来ない。

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