豊田自動織機、ランクル300/プラド用ディーゼルエンジンに不正あったと公表
豊田自動織機はトヨタ自動車の始祖である。1926年に豊田章男さんのひいおじいさんにあたる豊田佐吉氏が創業した、会社名通り「人力」でなく「動力」を使う織機(糸から布を作る機械。はたおりきとも言う)を開発し販売する企業として誕生した。当時、織機産業が急拡大中。佐吉氏が考案した織機は不良品を出さない工夫を詰め込んでおり高く評価された。
企業規模が拡大し、豊田章男さんのおじいさんである豊田喜一郎氏は大正時代に海外から得た知見を受け(1921年から6ヶ月を掛けアメリカ、欧州、中国に行っている)、自動車製造を立ち上げる。このあたりは『リーダーズ』というTV番組で詳しく紹介されてます。1937年に豊田自動織機から豊田自動車が分離/独立する。その後、1955年に自動織機内に車両部が出来る。
ちなみに豊田自動織機の株はトヨタ自動車が23.5%ほど所有している。今回不正行為が発覚したのは、車両部から発展した自動車事業のさらに枝となる『エンジン事業部』。フォークリフトや建機、ランクル用のディーゼルエンジンなどを開発&生産している。すでに2023年3月に排気ガスの不正が発覚しており、3機種が認可取り消し処分を受けている。
今回発表された不正は、フィークリフト用エンジン6機種と建設機器用の1機種。うち2機種は排気ガスの規制値超過が確認されている。現在調査中も6機種。もし排気ガスの規制値を超えているようなら、豊田自動織機のエンジンは”ほぼ”全て不正が行われていたということになる。不正の内容は日野自動車と同じ。今回発覚した全てのエンジンが認可取り消しになると思う。
自動車はどうか? 今回発表された内容を見ると、出力特性のようだ。豊田自動織機のアナウンスによれば「試験の際、燃料噴射量を調整し、出力・トルクカーブについて見栄えの良いデータにするといった行為が判明しました。なお出力の性能につきまして、抜き取り検査で出荷基準値を満たしていることを確認しています」。トヨタ自動車にもウソをついている。
対象となっているエンジンは2.7リッター177馬力の1GDと、2.4リッター150馬力の2GD、3.3リッター309馬力となるF33Aの3機種。不正の内容は排気ガスや公表されている絶対的なスペックでこそないが、デタラメだ。そしてこの3タイプのエンジンを搭載したモデルは、とりあえず出荷停止になると考えていい。まもなく受注を開始する予定だったランクル250もか?
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トヨタにおけるグループ子会社の不正が、後をたちません。
トヨタのグループガバナンス方針は、子会社の自主性を重んじることにあると思いますが、残念ながら裏目に出ている。
子会社は、モリゾウさんの顔色ばかり追っかけていたんでしょう、きっと。
さすがにこれだけグループ内で不祥事が頻発すると、親会社のガバナンス責任は重い。残念無念としか、言いようがない。しかし、モリゾウ会長は、断じて腹を切ってはいけない人です。
モリゾウ会長の会見が、明日昼にあるようですね。日中は仕事なので、終わったら動画を確認したいと思います。
今回の「豊田自動織機」事案(いや事件、か)、悪質さにおいては今後の報道を見ないと判断しにくいかと思いますが、経済に影響を与える規模においては「ダイハツゲート」と比較すると小規模に感じています。
しかし「偏向」焚火大好き@大手メディアの動向次第では、格好のキャンプファイヤー案件になりそうな気がしてなりません。
応援と実益を兼ねてトヨタに投資をしてる立場として、今回の「豊田自動織機」事件、ダイハツとの比較を含め、トヨタ本体に与える負のインパクトについて、解説いただけませんでしょうか。
よろしくお願いいたします。
ついに、豊田自動織機がランクルにまで…。
日野、ダイハツにつづいて、というかフォークリフトのエンジンなんかで去年不正を出していましたね。
いまのところ、トヨタと結び付けられていませんがデンソーも燃料ポンプで大量リコール。
無傷なのはAISINだけ。
ノア・ヴォクが出て、プリウスやランクルを経てアル・ヴェルがデビューした時、そんなに矢継ぎ早に「新モデル」を出さないで、納期短縮のほうに動いてくれたらなあと思っていました。車の開発と生産の納期短縮と関係ないように見えますが、イチ消費者としてはそう思っていました。それにしてもよく矢継ぎ早に出せるもんだと。。。
ここで、すべてトヨタのせいだとは言わないまでも、無理がたたったんじゃないかと思います。
コロナ禍で、人が集まって思うように開発や実験ができなかったのでしょうかね。
トヨタ式○○手法なんてもてはやされますが、納期がちょうどいい塩梅(ちょうどいい忙しさ)になっているスバルやマツダの手法のほうがいいところはあるのかもしれません。