軽自動車とポルシェ、どっちが上? どっちが楽しい?
自動車ヒョウロンカをやっていると、あるときは5000万円のクルマの評価をし、あるときは100万円のクルマの評価をする。その際、全く同じ気持ちでハンドル握る。100万円のクルマがあるからこそ5000万円のクルマがあるからだ。もっといえば80万円で買ったマニュアルの軽バンを八丈島で走らせている時と、箱根ターンパイクで911GT3に乗っている時の楽しさは50%差くらいです。
競技だって同じ。一握りのTOPの人を支えているのは、大きな裾野だ。WRCでもF1でも野球でもサッカーでも卓球でも、裾野があるからTOPだって存在する。TOPの戦いを報道するのはメディアの役割だけれど、裾野を知るのもメディアの役割だと思っている。WRC、シリーズチャンピオン戦いをするチームや人が主役であることは間違いないけれど、10台じゃ成立しない。裾野が必要です。
私の場合、裾野を見てWRCに出たくなった。もちろん最初の興味はTOPクラスだったが、ヨーロッパに行くと(最初に見たのはツール・ド・コルスでした)、豪華なチームあれば、家族でクルマを走らせているチームもある。バラエティに富む。見てると楽しさは同じ。文頭に書いた100万円と5000万円のクルマだ。F1はハードル高いが、WRCであれば裾野になってみたいと強く思った次第。
高校時代、輝く部活動は野球だった。私はマイナーな競技だったこともあり、1年で350日くらい部活動に時間を投じたものの、ほとんど注目されず。その時に「いろんな人生があるのね」と考えた。その経験が社会人になった時の幅広い価値観になった。裾野の競技は費用対効果で考えたら「やめちゃえ!」になる。でもそれが文化活動や趣味の99.9%を占めるんじゃなかろうか。
今回スペアのドライブシャフトさえ準備出来ず、たった一つの部品で全てを諦めなければならなかった。だったら「壊れそうな部品は全部用意しておけ」となるだろうけれど、それをやったら参戦費用なんか捻出できない。どこが壊れるか解らないですから(笑)。これもラリーです。出来れば懲りずに来年も裾野を体験したい気持ちが強い。今回みたいな大ヘコみなんかしたくありませんが。
<おすすめ記事>