軽自動車の市場動向を考察してみたら将来が真っ暗に思えてきました

軽自動車の利用実態を様々なデータベースから考察してみた。詳細を説明するとデータベースになってしまうので、大雑把なイメージを紹介してみたい。まずユーザー層は高齢者が33%。女性66%。チャイルドシート使う子供居る家庭が15%。一日当たりの走行距離で言えば75%が20km以下。高額の軽自動車を買うのは40歳前後。登録車との販売シェアをみるとやや減少傾向、となります。

そこから見えてくるユーザーの姿は、1)近所の足として使う高齢者や女性の足。2)チャイルドシートを使うファミリー層は軽自動車から登録車に軸足を移し始めている。3)高額の軽自動車を買うのは、37~47歳のクルマ嫌い世代。4)10代から20代のユーザーは軽自動車から距離を置き始めているといった動き。皆さんがイメージしている軽自動車のニーズと少しづつ変わり始めているようだ。

この程度で100万円を切ったら驚異の存在かと

ナニが言いたいのか。もし宏光MINIのように100万円程度で買える航続距離100km程度の安価な超小型モビリティが日本に入ってきたら、軽自動車の半分くらいのニーズを持って行かれる可能性あるということです。宏光MINIの爆発的なヒットを見て『Kカー』と呼ばれている小型電気自動車は、中国で突然脚光を浴びる存在になっている。日本に於けるスバル360ですね。

当然ながらバックマーカーがドンドン出てくることだろう。ホンダN360のように大ヒットするクルマも出てくるに違いない。本格的な電気自動車を作るとなれば相応の技術力を必要とするが、最高速100km/hの性能を持たせながら70km/hの速度リミッターで運用するようなクルマ作りなら、中華自動車メーカーの技術だけでOK。低い速度域限定であれば自動ブレーキだって安価に作れます。

そもそも国交省が定めている超小型モビリティ(認定車)ではエアバッグや自動ブレーキを必要としない。加えて軽自動車よりさらに税制上の優遇を受けられ、ガソリンと比べ4分の1以下のエネルギーコストで済む。高齢者や買い物の足として使う女性、セカンドカーやサードカーユースを考えたら、電動化による値上がり必至の軽自動車よりずっと便利な乗り物になる。

日本で売るとなれば当然ながらアイフォーンのように欧米の品質コントロールがされることだろう。60万円の宏光MINIも100万円になるかもしれません。それだって安価。日本の軽自動車メーカーにこういった黒船に対する準備は出来ているのだろうか? 私は厳しいと感じている。2年くらいは中国勢も自国向け生産で手一杯。けれど遠からず飽和するので市場を日本に求めてくると思う。

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