550万人の仲間に日本製鉄は入らない、と思う自動車業界人が急増中
日本製鉄の社長が東洋経済で自動車業界にケンカを売るようなことばかり言っている。正面から相手にするのも情けないほどの認識不足。曰く「日本はEV車作りをしたくないと思っているから出遅れた」とか「EV以外の販売禁止を打ち出していないのは日本だけ」等々デタラメ。日本勢の出遅れは規制などで電池の供給体制が国内で整わないこと。事実上の販売規制も決まってる。
日本製鉄の状況を見ると酷いモノだ。まず日本製鉄グループの二酸化炭素排出量は日本全体が出す量の9%程度を占める(製鉄業全体では14%)。なのに二酸化炭素削減努力は口だけらしく、2021年度は前年比で13%も増加した。川に猛毒シアンを何度も流したり、得意客であるトヨタを訴えたり。自動車メーカーは鉄が無いとクルマを作れないため、大幅値上げも飲まされた。
結果、2022年3月期では8400億円もの営業利益を上げてます。当然ながらトヨタは日本製鉄に対し強い強い反発を持っている。豊田章男社長がどう思っているか聞いたことないし何も発言していないものの、現場を担当する役員は怒り爆発といった雰囲気。ほとんどの役員が「日本製鉄の素材を使わないように動いてますから!」と言う。トヨタの脱日本製鉄は間違いない。
実際、二酸化炭素課税が始まれば「二酸化炭素を排出して作った鉄を使ったクルマ」は競争力を失うほど多額の税金を掛けられてしまう。日本製鉄の製品を使ったら輸出出来ないということ。トヨタ関係者は多くを語らないものの日本製鉄以外から鋼板を購入する方向で動いているようだ。自動車好きからすれば鉄は日本製鉄製ぢゃなくたってまったく問題ございません。
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脱炭素はエネルギーだけじゃなく、鉄を始めとする鉱物資源の精製にもかかってくるのか。
さながら、経済の軍縮条約だな。
騒ぎ立てず、静かにしているのが正解と思います。日本製鐵と聞くだけで鉄は国家なりと思う日本国民がまだまだ多く、声が大きくなれば支持率を気にする政府が良いネタを見つけたとばかりに動き出すでしょう。トヨタと日本製鐵では時間軸が違い、後者は諸外国の成長速度に関係なく特許は切れるまで保持したいクチ。日産もこれに近い。トヨタはどのタイミングで特許を解放すれば将来的に利益が最大になるかを考えているので、そもそも噛み合わないのです。
昔から自動車業界は、いろいろな環境(地球環境にかかわらず)に左右され、飲み込みながら発展してきました。
昔からの土木・重工業にありがちな、ウチらが日本を作っている!という感覚は、古い企業からなかなかなくなりません。
どこかの記事で「トヨタさんウチの鉄なしでやっていけるんですか」的な見出しを見たことがあります。中国の会社から製鉄を買い始める事へのけん制だったかと思います。
衝突安全性を確保するために、高くて硬いホットスタンプ材を使う傾向にありましたが、いまはコストや世界中の各工場での入手性を考慮してあまり特殊な鉄は使わなくなってきています。正確には過渡期と言ったところでしょうか。
文字通りホットスタンプは打つときにも熱=CO2を要します。使う電気にまでCO2排出ゼロを目指すのだからライン上でCO2を要する部材は減らされることでしょう。
国沢さんの日本製鉄観に全面同意します。
鉄は国家なりの時代から相変わらず本質が抜け出せていない日鉄の企業風土が根底にあると考えます。
老兵である私の友人・知人に、数名の日鉄OBと現役社員がいます。
今も時々懇談や会食をする機会がありますが、自分たちの置かれている立場の理解が希薄で危機感に乏しい言動が多いのは変わっていません。
トヨタや関連メーカーの企業OB・現役とも付き合いがありますが、やはり言行と一致する危機感や先導する親会社としての責任ある企業観を、日鉄社員と違い具体的にしっかり持っているように感じます。
残念ながら古くからのロビー活動と共に戦艦群団として国から守られてきた甘えが日鉄側の社員に残り、その下請けとも時には血を流し切磋琢磨して改善する努力や工夫過程を経ていないことが危機感の欠如につながっているように見えます。
そのような古くからの製鉄業界・特に日鉄の体質と、その反対である(古くから今も続く)トヨタのロビー活動や政界に頼らない企業理念・行動を知らない他業界の50才代未満の社会人が多いのは残念なことです。
10年前と違うこととして、一次、二次サプライヤーやまともな下請けからの支持は他自動車メーカーよりトヨタが圧倒的に高いという事実(評価)も忘れてはなりません。
今後 日本の自動車メーカーは 技術がないのに五月蝿い日本のサプライヤーを避け 中国 韓国との取引が増えると思います。
もっとも顕著なのがリチウムイオン電池。CATL BYD LG SKと資本提携しないとBEVは作れない。
納品メーカーのOBです、自動車メーカーは大事なお客様でした、色々な要求に対してしっかり対応してます。それ故、薄くて軽くて丈夫でスマートな車が出来てます。しかし最近は納品メーカーが赤字で、完成品メーカーだけが大幅黒字でした。トヨタさんの大幅黒字は納品メーカーの苦しみからなっているのです。大メーカーは納品メーカーの生活の事も考えてねばなりません。トヨタさんの購買部門さんはここをもう少し考えて欲しいですね。トヨタは日本一の会社ですから、日本及び下請けの事も考えて行動して欲しいです。
文字通り四面楚歌に近い状態。安来もグリーンイノベーションを言い始めるし。