JMSでワールドプレミアとなるBYDの軽自動車、徐々に情報が増えてきた。新首相は補助金の扱いに苦慮か?
BYDが日本市場のために開発している電気軽自動車は、秋のJMS(かつての東京モーターショー)でワールドプレミアになる。すでに日本で走行テストを開始しているようだ。具体的なスペックは不明ながら、現時点で解っていることを紹介してみたい。まずボディだけれど、競合車は日本で最も売れている「N-BOX」としている。したがって全高が1800mm程度あるスライドドア車だ。
N-BOXをガチ狙い
BYDの場合、正面突破しか考えていない。最初から「2%の人が買ってくれればいい」みたいな逃げ根性無し。開発当初の目標スペックは電池容量20kWhのSAKURAだったものの、30kWhのN-VAN e:を見て上方修正したらしい。漏れ伝わる情報によればSAKURAを凌ぐ25kWh程度とする計画だったが、N-VAN e:やN-ONE e:を見て35kWh程度のロングレンジも考えている?
電池はLFPなので60万kmくらい走ったって劣化無し。燃えない。回生をガッツリ取れるため電費だっていい。25kWhモデルで実用航続距離200kmといったイメージか。最も気になる価格だけれど、200万円切りを開発目標にしている予想する業界関係者が多い。今やADASやサイドエアバッグなど必須装備も多いと言うことを考えると相当ハードル高そうながら、bZ3Xの200万円を見ると可能かも。
RAV4サイズで電池58kWhのbZ3Xが200万円で売れる国です
気になるのが補助金。経産省(国)の補助金はブラックボックスである。経産省によれば「基本は85万円。1)航続距離など車両性能2)EV自体が災害時に充電設備として機能すること3)充電拠点の整備状況4)製造時のCO2など排出削減5)サイバー攻撃対策6)修理拠点の整備状況や部材の安定確保7)整備人材の育成を考慮し、最終的にはオレが決める!」となっている。日産は89万円だ。
新しいところだとeビターラ87万円。意外なのはテスラで、外部給電機能無し。急速充電器は互換性無し。修理拠点怪しいのに規定以上の87万円という補助金が出る。逆にBYDだと航続距離長く外部給電機能あり。ディーラーには急速充電が必ずあるという好条件にもかかわらず35万円しか出ない。サイバー攻撃対策が問題だと思う人もいるだろうけれど、国交省が検定してます。
すでに中国政府からプレッシャーを掛けられているようだ。新首相はどう考えるか不明ながら、見え見えの不公平って難しい。日本の自動車メーカーが中国でさらなる不利益を受けるからだ。クルマは政治と絡む。中国の上海工場で生産しているテスラも87万円という補助金出るのはイーロン・マスクがトランプ政権の要人だったので尻尾振ったからだと容易に想像出来る。
さてさて。SAKURAとN-ONE e:は軽自動車なので57万4千円の補助金になる。今年度に於けるBYDの補助金は日本勢の3分の1。BYDの軽自動車だったら20万円というイメージ。37万円ほどのマイナスハンデとなる。SAKURA260万円でN-ONE e:は270万円。37万円のハンデあれば、25kWhのBYDが200万円。35kWhのBYDなら220万円くらいだと日本勢も逃げ切れると思う。
20万円の価格差だったら間違いなく日本製を買う。ただ補助金が同額になると、価格差50万円を超える。そうなったらBYDも十分勝負になることだろう。来年度の補助金はアメリカや中国に利権を持つ自民党議員からすれば譲れない条項となってくる。当たるか当たらないかは全く自信ないけれど、今年度のようなBYDに対するマイナスハンデって難しいと考えます。
BYDの新型軽自動車が姿を見せるまで3週間。軽自動車の購入を考えてるなら見てから決めることをすすめておく。私のシーライオン7が納車されたら「BYD買うな!」になるかもしれませんけど(笑)。
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スペックは素晴らしものになるのは予想できますが、問題は5年後以降に細かい故障が発生するかでしょうね
現在中国国内で販売されているBYD車の故障状況を調査できると面白いかもしれません
アイミーブやリーフは13年、7年たっても電池の劣化以外は全く問題ありません。
遂にベールを脱ぎますか、BYDの軽自動車! i-MiEVオーナーとしては、大いに気になるところ。
モビリティショーのモチベーションが、上がってきましたゾ。リーズナブルな夕方チケットで、見に行こうかしら。
実は前回は、あまりに地味で塩っぱい展示に加えて、日産ブースひな壇のハリボテを見て、熱いクルマ好きハートが一気に萎えました。
でも部品ブースではバッテリーの裏話を沢山伺うことができて、凄く勉強になり面白かった。何事も、期待する前に行動しないとネ。
中国産のBEV製造には、多額の中国政府や中国地方自治体からの補助金が投入されているので、日本からの補助金を出す必要は無いとは思うんですが、そうなると角が立つから…。
BEVの補助金を得るためには、廃車後のリサイクルまでを義務化出来れば良いかも。メーカー側に確立したリサイクル方法を公表させて、拠点の用意をさせる。中国メーカーなら余裕で資金を投入しそうではありますが…。
>軽自動車の購入を考えてるなら見てから決めることをすすめておく。
BEVを買うつもりならの対象でしょうね。
でなければ安かろうが関係ないと思います。
都会はどうかわかりませんが田舎だと顕著になりますよ。
近所数軒、サクラを所有してるお宅がありましたがいつのまにかガソリン車に
置き換わっていました。
飛躍的にBEV利便性が上がらない限りは一時期のサクラのようなヒットは生まれないでしょうね。
車種によってはリッターカーより高い昨今の軽自動車の価格を見るとそもそも軽自動車の規格って何の為にあるのかと思ってしまうのは私だけでしょうか。もっとも政策立案時の目的とは違った使われ方をしている政策なんていくらでもありますが、第三のビールみたいにBEV軽自動車の税が引き上げられる可能性はいかに。
WeChatや抖音(ドウイン)でBYDの品質について故障車を見せながら解説している自動車工場の動画がけっこう出てきます。
防錆処理が甘くて数年で錆だらけになってたり、事故車の壊れ様がひどくてホイールやサスペンションやアームが簡単に破断しているとかで、やっぱり中国車は品質が悪いと中国人もわかっています。中国メーカーのことですからすぐに対応していくのでしょうし、輸出車はもっと安全率を見て仕様変更しているのかもしれませんね。日本で実車を買って検証してくださる国沢さんの記事を楽しみに待っています。
また2年連続の春節大移動渋滞により、高速上で電欠が相次いだことからEVは使えないという印象が強くなり、私の中国の友人たちは今EVを買うやつはバカだとも言い始めています。
XiaomiのSU7にリコール届出が出たように自動運転など検証が甘い状態でも世に出てしまうことが普通にあるので、これも今買う人はバカだと言っていました。(SU7もHUAWEIもけっこう見かけるのでどこまで信じていいのやら。)
こういうことが重なり、中国内外の従来からある伝統的なメーカーの印象が良くなっているようです。だから日産のEVのようにユーザーが求める仕様と価格で世に出せば売れるということみたいです。ホンダはダサいし、仕様が悪いし、安くもないし、どうしちゃったんだろうねと中国人も心配していました。
タイかどこかのBYDかぶれの人が何十万キロ走っても不具合が出なかったと豪語してる人がいましたが走行距離と経年劣化は別問題なのでしょうね。
シーライオン、できれば長期所有で経年劣化もレポートしてほしいものです。
トヨタダイハツスズキ連合の軽EVバンの航続距離がどこまでもってこれるか…。
個人的には200kmではアウト。250kmで及第点というところですね。
もしBYDが、このハイトワゴンベースにN VAN Eのようなバンも出してきて370km走れるのならかなりクラっときちゃう可能性も…。