マツダのCTOである廣瀬さんの退任が発表された。これで毛籠体制フルパワーになります

マツダのCTO(車両開発総責任者)である廣瀬さんの退任が発表された。何度か書いてきている通り。藤原CTO体制の右腕だった人です。本来なら社長交代の時が去るべきタイミングです。されど前の社長は、廣瀬さんをあろうことかCTOにしてしまった。藤原CTOと違うことをやろうとする度に強いブレーキを踏んでいただろう事は言うまでもない。マツダ、OBのチカラが全自動車メ-カーの中で一番強い。

社長の隣がCTO。スバル藤貫さんとトヨタ中嶋さんと比べたら‥‥

ちなみに普通の人物として付き合えば、廣瀬さんも良い人です。というか自動車メーカーの中に一般的な判断基準として悪い人はいない。ましてやCTOにまで慣れる人は非凡であり。廣瀬さんも聡明だし、社会人としてのマナーも素晴らしい。マツダという自動車メーカーの人として接していれば仲良くなれたかもしれません。「お堅い仕事」なら適任かと。ただ自動車メーカーの人としては非常に厳しい。

私と廣瀬さんのファーストコンタクトは、デミオにスカイアクティブGを搭載した時だった。素晴らしく燃費いいという。フィットと比較したらどうかと聞いたら「もちろん勝てる!」と言う。ちょうど他界されたカートップの城市兄と一緒だったこともあり「じゃカートップでデミオとフィットの燃費競争をやりましょう」。すると「イヤです」。デミオの方が燃費良いなら証明出来るのに。

城市さんが理由を聞くと「ホンダはインチキするからです」(本当インチキと言いました)。広報車に手を加えてくるに違いないと言う。だったらレンタカーでやりましょうと返したら、それでもダメだという。そうなるとメディアが手を加えると思っているらしい。とにかく否定&守りの連発。その時点で私は30年間くらい業界に居たけれど、廣瀬さんのような猜疑心の強い人は始めて出会った。

その後、欧州CAFEの対応戦略の話で激しくあたり(実際、大失敗です)、ラージプラットフォームの仕上がりで激しくあたり、電気自動車戦略で激しくあたった。とにかくクルマ作りの方向性については私と100%違っている上(私が正しいか疑問ですが。笑)視野が狭い。この流れ、藤原さんやエンジン開発の人見さんと全く同じ。この3人は自分こそ正しく、お客は付いてくると信じていた。

廣瀬さんのCTO退任で、いろんなことがやりやすくなる。廣瀬さんがCTOだったため、電気自動車の開発組織をマツダの中に作らなければならなくなったけれど、今後はチームマツダとして動けるようになるだろう。現時点で小物の藤原チルドレンが何人か残っているけれど、発言力は薄まると思う。これでマツダのブレーキはなくなった。後は失った数年を取り戻すスピードです。

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6 Responses to “マツダのCTOである廣瀬さんの退任が発表された。これで毛籠体制フルパワーになります”

  1. アミーゴ5号リボーン より:

    マツダのスカイアクティブ戦略ですが、当初はその斬新なコンセプトと企画、技術やデザイン、そしてそのスケールの大きさにシビレていました。

    でも「技術ファースト」と「セレブ路線」に固執しすぎて、ZoomZoomのマツダらしさを見失ってしまった。特に藤原体制の後半では、どんどん視野が狭くなって、経営陣が何を求めて誰と戦っているのかすら、わからなくなっちゃいましたから。

    本当に心の底から、マツダのリボーンに期待しております!

    ところで来週、TV番組の「ガイアの夜明け」で、ホンダが特集されますね。次回予告で夢追い社長が口走ったコメントを聞いて、言葉で心を繋ぎ情熱で活力を引き出すモリゾウさんとは、真逆のタイプだと直感しました。

    こちらは逆の意味で楽しみというか、お手並みを拝見させて頂こうと思っています。

  2. ひめ太郎 より:

    クルマ好きとしてはマツダが売れる未来が想像できない。多くの人はトヨタ、日産、ホンダしか見ないから。どんなにいい車を作ろうが認識されません。
    500万の高級ロードスターだったり官能性より効率目的の直6だったり、誰が買うのだろうか…CX-80のラリー車よりデミオmazda2で実際に走ってる競技者へサプライズあればいいのに…

  3. natumenatuki より:

    私の最初の車は、初代ファミリアの1000でした。
    カタログ上では、50馬力近くはあったと思いますが実車は全くもって力が無かった。申請時に、インチキをしたと思います。(会社のダットサンとはまるで逆でしたね)
    以前にも言いましたが、2代目ルーチェで小林彰太郎さんが広報車を世界一と激賞しました。しかしながら市販車に乗って余りの落差に本当に愕然とされていました。
    cx60の現在まで、インチキはマツダの伝統技術と考えられます。

  4. エッカルト より:

    国沢さんの言うマツダ3ばかトリオは、優れた製品を作り上げることに成功したがそれを優れた商品にすることに失敗したの一言。少なくとも世界を驚かすような素晴らしい製品を作り上げたブレない思想と技術は称賛されなければならない。

    であるから、マツダの失敗の主因は商人としての技量が足らんかったことが主因であると考える。ということはマツダ凋落の責を負うのは営業販売のセクションではないかと考えることもできる。まあ、そこの部分にも藤原さんは強くコミットしていたのでアレですが・・。

    私は3ばかトリオの夢とロマンとその敗北にロマンを感じる。ロマンで飯は食えんけどw

  5. Akira より:

    ようやく暗黒時代が幕を閉じたという感じでしょうか。
    これからは国内市場にももっと目を向けてほしいですね。
    なんせ昨年度販売台数ランキングで30位以内にはマツダ車は1台も入っていません。
    発売から10年のマツダ2が31位でマツダ車においてのTOPという有り様だったのです。

    開発が途絶えていると思われるコンパクトカーにまずは着手してほしいと思います。
    私は5代目ファミリアを2台乗り継ぎ、カミさんも初代デミオに乗っていました。
    どちらも人気車で当時のマツダの救世主でしたね。
    マツダ関係者にはそのことを思い起こしていただきたいです。

    ヤリス、ノート、フィット、アクアなどの強豪はいますが、ソリオやルーミーなどのミニバン系は別として初代デミオのようなハイトワゴンはほぼ皆無です。
    是非とも初代デミオのようなコンセプトの車を復活してほしいですね。

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