認証不正、強く憤る人が多いエアバッグのタイマー展開について検証してみた

認証不正発覚後、ベストカーWebで「不正」と認定された内容についての解説をしてきたけれど、多くの人から「安全性を考えたら一番やっちゃダメでしょ!」と思われているのは、エアバッグのタイマー点火のようだ。私はトヨタの説明を聞いて「問題ない」と判断したのだけれど、皆さんエアバッグについて知らないらしく理解できていない。しっかり説明する。

衝撃センサーが一定以上のGを検出した際、エアバッグが展開するかどうかについて言えば、すでに30年前に決着している。エアバッグの基本技術、戦闘機の非常脱出シートと同じ。99.99%以上の確度を持つ。したがって専用のシステムと配線を使うことで展開しないということは事実上無い(世の中に100%は存在しない考える)。問題となってくるのは展開タイミング。

ダイハツの不正は開発途中のクルマであり、展開タイミングさえ決まっていない時点で試験を行なっている。当然ながら衝撃感知センサーとの連携も出来ておらず、タイマーで展開させないといかんともしがたかった。ちなみに市販モデルでは適切なタイミングで展開することが確認されたため、認証取り消しになっていない。悪質ながら、ユーザーへの不利益はなかった。<続きを読む>

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1 Responses to “認証不正、強く憤る人が多いエアバッグのタイマー展開について検証してみた”

  1. トヨタ車ユーザー より:

    「タイマーで点火」と聞いて、まああるでしょうね~と思う私はだいぶ仕事で麻痺しているのか(笑

    エアバック+衝突試験は開発中にそう何度もできません。お金がかかる試作車をそんなにつぶすわけにもいかない。
    たぶん、初めにシミュレーションでエアバッグの効果が一番出る「タイミング」を探すんでしょう。それが開発目標になります。タイミングが見つかったら、実験でシミュレーション通りにそのタイミングで点火して効果が出ているか確認する。ここではタイマーを使ってタイミングを作ります。

    それで、OKとなったら実際にセンサーからくる信号でその目標タイミングで点火する量産用のエアバッグ装置をつくり量産をします。だから完成車は問題ないというロジックです。JNCAPの抜き取りでもちゃんとできていることがわかる。

    国交省の決めた条件だけパスするエアバッグを作るだけならカンタンだと思います。認証試験もその条件しかしない。
    しかし、その条件はずれたら効果ありませんともいかない。実際はダミーより軽いor思い人が乗っても、試験速度より遅いor速い速度でぶつかっても大丈夫だとカタログにあるように作らなければならないので忙しい!そして認証取るには、売る1年前から対応しなけでばならない。

    民間企業は頑張って急いでいるのに、お役所はコロナ対応やマイナカード偽造対策のようにチンタラやっています(別に文句を言っているわけではありませんがw)ので、さらに大変。

    認証基準も国際・国連に乗っ取っている!というなら、早く審査してくれて車を出させないと追いつけません!てなことをメーカーは本当は言いたいのだと思いました。(スズキのブレーキがフェードしちゃって以外は…)

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