アメリカ市場を重視して開発したクルマは日本じゃ売れない(11日)

--という理由が新しいフォレスターに乗ってなんとなくわかってきました。何度か書いてきた通り、アメリカって日本よりずっと高収入である。一昔前までは1ドル=100円という貨幣価値だと言われてきたけれど、今や1ドル=80円くらいが妥当だと思う。アメリカで最も売れているフルサイズのピックアップトラックのフォードF150は3万5千ドル程度が中心。

これを280万円くらいの感覚で買っている、ということです。フォレスターやCR-Vの価格はおよそ2万5千ドル。80円だとすれば200万円だ。つまりフォレスターもCR-Vもアメリカだとベーシックカーという位置づけ。日本のヴェゼルといった感じ。シビックなど2万ドルなので160万円で、こちらはフィット。この価格帯だと、贅沢さや飛び抜けた個性や”華”など不要。

日本だとお米。アメリカならいわゆる「ブレッド&バター」です。という評価軸ならフォレスターもCR-Vもシビックも素晴らしい! 普通に美味しい。しかし! 日本は150万円の軽自動車がベストセラーの国である。300万円のフォレスターとかCR-Vの価格帯は高級車。ブレッド&バターとして作られた贅沢さや個性や”華”を考えていないと、少しばかり物足りないと思う。

ビッグマックは美味しい。1ケ390円なら納得出来る。されど585円(アメリカの価格)だとどうか? も少し特徴が欲しくなることだろう。CR-Vのインテリアとか見ると、300万円超えのクルマとしちゃ物足りない。ということでアメリカ市場を重視して開発されたクルマは、日本じゃ厳しい状況になる。新型フォレスター、アメリカ市場を重視したクルマになりました。

という感覚を日本の開発担当者は持てなくなったような気がします。皆さん優秀なのでアメリカ見て「このくらいで良いでしょうね」になっちゃうのだろう。300万円は高級車だという皮膚感覚を持てれば、個性や飛び抜けた魅力を持たせようとしてくるんじゃなかろうか。参考までに書いておくとF150を日本で400万円という高級車の価格を付ければ売れないです。

日本で売れるクルマを作りたいなら、アメリカぼけした年寄りにクルマ作りを任せるんじゃなく、金銭感覚が日本人の若手にやらせたらいい(20歳台ならバッチリ)。そしたら日本でバリューのあるクルマになると思う。とにかくアメリカ市場を重視して開発したクルマはツマらんし魅力も無し。これについちゃガチで言えます。新興国向けのクルマを日本で売るべきでしょう。

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