マツダ、アメリカ市場の収益低迷は深刻
アメリカに於けるマツダの収益率が落ちている理由は簡単だ。アメリカ市場をメインとしたクルマ作りをしていないため、大量のインセンティブ(日本で言う値引き)を投入しないと売れないからである。日本人が「いいね!」と思うようなクルマ作ったって絶対ダメ。特にミドルクラスの場合、スバルの如く「日本じゃ絶対売れませんね!」といったモデルが必要。
CX-9のようなアメリカ専用車なら売れそうな気がするだろうけれど、高額車についちゃブランドイメージ全く薄い。アメリカで高いマツダ車は売れないと思う。もっと言えば、アテンザワゴンの車高アップモデルのようなタイプなら売れるだろう。これは今まで「絶対やらない」と言って作らないできた。アメリカ市場担当から「作って欲しい」と言われても「継続審議」。
さらにトランプ大統領は日本からの輸出を減らせと明言している。マツダとスバル、日本からの輸出比率が80%程度と極めて大きい。ホンダなど現地生産が95%を超えているほど。アメリカでの販売台数を絞るか、アメリカに工場を作らなければならない。どちらも収益を大きく落とす要因になる。マツダの経営陣にアメリカと丁々発止のやりとりが出来るだろうか?
軌道修正を丸本新社長が出来るかどうかだけれど、これまでもアメリカで販売するクルマのスペックや、販売戦略を決めてきたのは丸本さんと藤原さん。この2人が一段と発言力増すワケだから、おそらく今後も現在の路線を踏襲し続けていくことだろう。というのも「二者択一で迷ったらコストを取る!」という哲学を持っているからだ。クルマを道具だと考えている?
丸本さんが社長になった時点で「なるほど!」と合点言ったのは広報人事。3月一杯でマツダの顔になっている広報部長と商品広報課長をセットで移動させた。普通、部長と課長セットで交代させることなど無い。継続性に問題出るからだ。しかも新しい部長は楽しさをアピールしてきたテーマパークの広報経験者なら理解出来るけれど、専守防衛でOKの東京電力出身。
丸本さんのトコロまでヤヤこしい案件が来ることを嫌い、防御を固めたということか? 100歩譲って守りを重視する企業広報なら解る。されど楽しさをアピールする部門である商品広報の防御態勢を強化しても意味なし。実際、新しい広報部長になって以後、何の動きも無し! 新任課長は指示を守る優秀な方。おそらく縮小均衡の方向に向かうんじゃなかろうか。
そうそう。丸本さんの名前、今まで伏せてきました。昨日「なぜ出すようにしたのか?」という質問を頂いた。今までマツダの代表は小飼さんである。小飼さんの部下だから、小飼さんに敬意を払って伏せていた次第。丸本さんがTOPにならなければずっと伏せていた。されど今や責任者。丸本さんの会社だ。テストコースで散らされそうになった私なので、遠慮無く名前を出させて頂く。
ここまで書かれたのだから「ふざけるな!」とばかり魅力的なクルマをたっくさん出してきてくれたら嬉しい。アテンザのクロスオーバーに2500ccターボエンジン積むなんてステキだ。ロードスターのライトチューン2500ccエンジン仕様も乗ってみたいし。ハンドリングの味付けも、クルマ好きの人が担当したら、もっと華のある走りになります。マツダ、ベース技術はとっても高い。
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