ドリームクルーズ ワールド・ドリーム乗船レポート 旅行記(最終回)
国沢光宏は中国が嫌いかといえば、全く違う。中国ブネにゃ二度と乗らないですけど(笑)。我が国より長い歴史を持つし、文化の奥行きだってケタ違いに深い。芸術品一つ取っても全くかなわない。単に文明開花が遅れただけ。日本より50年出遅れた。日本は1945年にスタートを切った。中国と言えば、天安門事件の後の1990年代だと思う。
それが今や経済力で並んだと考えていい。もちろん中国にだって貧しい人はいる。けれど人口10倍。今や平均的な日本と同等または凌ぐ経済力を持つ人達が1億~2億人くらい存在するそうな(人口の10%前後)。だからこそ3400人乗れる観光船が満員になるのだった。今後もいろんな意味で存在感を増していく中国と付き合っていかなくちゃならん。
今や中国は大型クルーズ船のお得意先!
今回乗ったフネの中国人を見ると、失礼ながら日本人より生産性高い内容の仕事をしているように見えず。基本的に50歳以上の高齢者で、私の祖父母世代と同じく男性スポーツ刈り&女性は全く化粧してない。国際的なマナーという概念をほとんど持たないため、デスクワークでない地方在住なんだと思う。私らが自動車関係の仕事で接する洗練された中国人と違う。
考えるべきはこういった人達もフネに乗って海外旅行出来るようになったという点にある。富が回ってます。富を回せなくなりつつある我が国と対照的だ。もちろん生産性の高い若い世代の中国人は、平日にフネになど乗っていない。バリバリ働いていることだろう。もしかしたらイケてる中国人達は日本に居ると全く目立たないのかもしれません。
船内で46万円のお酒を売ってる!
ここで妙なことを考えてしまった。明らかにマナー意識の低い中国人を世界に送り出してるのは「ダメで遅れた中国をアピールするためなんじゃないか?」と。日本人の多くがイメージしている中国人を見ると「この人達には勝てる」と油断する。それこそ中国の戦略だったりすると恐ろしい。ということは全く無いだろうけれど、結果的にそうなっていると思う。
日本人なんか今だにリーズナブルなカジュアルクラスであってもクルーズ船を『豪華客船』と呼ぶ。ワールド・ドリームだって日本のメディアは豪華客船として紹介することだろう。確かにフネを見ると豪華。シャンプーやバスジェルなんかフェラガモですよ。けれど乗っている人達は強烈です。豪華客船に乗ってるヒトのイメージの反対側にあると思う。
クルーズ会社にとって中国は上得意客
回りくどい書き方になったけれど、ようするに中国政府の戦略が成功だったということに他ならない。私の1年目の給料って、手取り20万円。ボーナス50万円でした。これ、37年前のこと。フリーになった34年前に連載ページを貰っていた週刊現代の原稿料は、1文字あたり40円。1200字なので4万8千円だ。30年経ったら2倍になってもおかしくない。
なのに! 収入は「変わっていない」か「少し良くなった」。いや、悪くなったという分野すらある。外圧に対する土下座外交を続けてきた結果だと思う。はたまた首相自らツマらん口利きに関係し、自浄作用なく、そして野党も決定力無いまま1年間国会は空転。本来なら悪いヤツをトットと捕まえ、ダメな政治家や官僚を追放し前に進むべきだ。
最後尾のレストラン。快適です
安倍さんや麻生さんからすれば「このくらいの口利きは少し前なら日常茶飯事」だったんだと思う。悪いことをやった意識すらなかろう。時代は変わった。クルマだって一昔前なら元気よく走れたし、40年前までビール一本程度であれば「いいでしょ」。今やダメ。そういう時代なのだ。政治家も口利きなんかしたらアカンです。徹底的に自覚が足りない。
ここまで書いて「まてよ」と。本当に国民が怒ればもっと良い為政者を選ぶ。それこそ民主主義です。それが共産主義に負けてるんだから困ったもの。かといって給料が37年間上がっていないのに国際競争力も強くならないんだから大きな問題です。本来なら優れた製品を世界一安価に作れるハズ。なのに自動車など高額製品ほど海外勢に負けてる。
お土産は日本製炊飯器? 10万円します!
フネに乗ると「豪華客船で旅行するなんていいな~」と思われる。繰り返すが、乗っているのは国際的なマナーという概念を持っていない普通の中国人。スペインでもシンガポールでもアメリカでもお客さんは普通レベルの人達です。それが「豪華客船」と思われていること自体、問題ある。クラーク先生は日本人をキッチリ見ていたと思う。
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