光布村客家円龍屋
中国のことを評するにはまだまだ取材不足。なんせ上海や広州、北京といった大都市だけしか見ていないですから。そこで都市部から少し離れてみることにした。目的地は広州近郊の『光布村客家円龍屋』という客家の建物である。ちなみに客家とは、いわゆる華僑と呼ばれる人たちの中心になっているグループ。
いい感じの日常感がある。使っている家は4〜5軒
中国を理解しようとすれば客家を勉強しろ、と昔から言われているほど。ちなみに中国の近代化に絶大なる功績を持つ鄧小平さんも、台湾を繁栄させた李登輝さんも、シンガポールのリー・クワンユーさんも客家である。最近、福建省にある客家の集団住宅が世界遺産に認められた。広州近郊にその小規模版があるのだという。
中国の時代劇に出てきそうな感じ
広州市内からの約60km。ちょうどいい距離でしょう、ということで目的地に設定した次第。広州在住の友人の会社のスタッフをガイドに頼み「ここに行きたいのだけれど」。東京から埼玉県の熊谷に行く、といった距離。日本であれば住所をナビに入れれば終了。なのに! 「凄く遠いです!」。バスも無し。タクシーも心配だという。
水はけを考え、傾斜が付けられている
ホテルのコンシェルジュに相談すると「ホテルのリムジンを使ったらどうですか?」。というかそれしかチョイス無い感じ。とりあえず4時間チャーターする。10分ほどで準備完了。現代自動車のソナタという超カッコ悪いセダンであります。ドライバーに目的地を告げると「行ったことがありません」。
人柄の良い運転手さん
そこからが大騒ぎ。なぜか地図というものを持っていない。ガイド役の友人の会社のスタッフと二人でいろんな人に電話を掛けまくって聞いている。やがて何となく行き方が判明したらしく「じゃ行ってみるべ」となりました。しかし途中で大渋滞に巻き込まれてしまう。5分待っても全く動かない。こらダメだと回り道を探す。
何度も道を聞く
写真は回り道を探すために通った町。建物の間の道はグラベル。しかもデッコボコ。中国仕様は車高を上げているのがよ〜く解ります。いろんなルートを探すも(我がドライバーは途中で人に20回くらい道を聞いていた)、迷路状態。30分以上田舎道を走った末、元の渋滞箇所に戻るハメに。
最徐行じゃないとお腹を擦るぞ!
折しも昼休みで工事がお休みになったらしく、突如流れ始める。ちなみに渋滞の原因は、凄いコトだった。信号も交通整理係も居ない十字路で我先に交差点に進入するものだから、ニッチもサッチもいなかくなってしまっていたのである。交通整理をやらなくちゃどうしようもないでしょう。
ここは交差点。完全にロックしちゃってますね
そんなこんなで目的地に着いたの、広州市内を出て3時間後。帰路も同じ場所で若干渋滞したが、2時間でした。いやいや楽し過ぎるぞ! ちなみに客家の古住居は未だ普通に使われていました。住んでいる人は「なんでこんな古い家を見に来るの?」と不思議そうだったけれど、案内していただく。
こんな感じの村落
取り壊されてしまうかもしれないが、この周辺にもっと古い家並みも残っている。国の予算を使って福島県の大内宿や長野県の妻籠のようにしたらいい。環境も素晴らしいので、良い観光地になると思う。ちなみにバナナが名産とのこと。途中の一番で「木で熟した無農薬のバナナ」を購入。美味しかったです。
自分の家のバナナとのこと。大きくて甘い
夜は学生時代、沖縄の離島で一緒に厳し過ぎる修行をした(旅行会社の現地対応をやってました。ちなみにお客さんは95%女性)広州在住の友人と飲んだくれる。本格的な千鳥足を決め、ホテルにたどり着き寝。ちなみにホテルの周辺は空軍の管轄。治安は大変良いです。
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