安いクルマのリアシートベルトは胸部圧迫で致命傷に(2日)
朝日新聞が年末に「シートベルトの締め付け緩和へ」という記事を載せた。要約すると「シートベルトによる胸部の挫傷が致命傷になるケースが増えた。今やエアバッグもあるためベルトの締め付けを弱くするよう国交省は性能基準を見直す」というもの。う~ん! そもそもシートベルトに”種類”あることすら認識していないんじゃなかろうか。
多くの人はクルマに乗ると後席の方が安全だと考えているようだけれど、そんなことありません。リアに採用されている標準的なシートベルトは衝突すると緩みの分だけ乗員の身体が移動してベルトに衝突。そこで身体を拘束するタイプ。こんなシートベルトを運転席&助手席に採用したら、衝突試験(特にフルラップ)でみんな落第しちゃいます。
そこで運転席&助手席のシートベルトは軽自動車であっても、1)衝突を感知すると炸薬でエアバッグの緩みを瞬時に巻き取って身体に密着させ、2)衝撃を受け止める際、強いG出さないよう、ジンワリとベルトを伸ばす、という「プリテン&ロードリミッター式」という凝ったシートベルトを採用しているのだった。高額車になると後席もこのタイプが付く。
安価なシートベルトの場合、骨密度が低くなってるお年寄りだと肋骨など折れ内臓を圧迫。死亡原因になってしまう。国交省の指針は、リアシートも前席と同じタイプのシートベルトを採用するように、という意味。実際、トヨタの新型タクシー見たら、高機能タイプのシートベルト使っている。も少し書くと、通常ベルトのリアシートが危険なのはお年寄りに限らず。
現行モデルであっても設計古い世代のクルマになるとリアシートはロードリミッター機能すら付いていないため、ベルトに当たった時「若干伸びる」程度しかエネルギーを吸収出来ない。3列目シートのベルトだって危険性高い。ということを少なくともクルマ通ならキッチリ認識して欲しいと思う。次にクルマを買うときは、リアシートベルトの形式に御注意を。
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