安請け合い3
ウチにも若手が二人いる。上はベルギーに行ったのだけれど、ネコを連れてアッサリ戻ってきてしまった。現在、日本の製造業に勤めており、上司や他の部門から鍛えられてるようだ。実力主義の会社らしく、すでにヨーロッパに2回。中国に2回出張してます。オヤジと違って英語を会話/筆記共にコナすので便利なんだと思う。
下は学校に入るなり自動車部に入った。そこで学生フォーミューラーに出会う。シャシの設計からアルゴン溶接まで全て覚えたものの、一年目惨敗。「次回は真剣にやりたい!」と猛烈に気合い入れたら周囲からうっとおしく思われたようで退部を余儀なくされる。そこから就活にノメり込み内定貰うや緊張が解けたんだろう。体調崩す。
突如熱が出て医者に行くと「カゼですね」。されど全く良くならない。1週間くらい後、41度を超え、首を氷で冷やさないとならないほどクリティカルな状況になってしまう。「やっぱりおかしい」と再度病院に行くと「はしかです」。成人になってからのはしかは症状激しい。治りかけた頃、酷いカゼに掛かる。熱が下がるまで4週間。
高熱に激しいセキ。下痢で7kgの激やせ。食欲無くなり、元気も失せた。学校にも行けない。こんなに覇気の無い若者は見たこと無いと思った。母親は「就職出来ないかもしれない」と嘆く。そんなある日、試しに「タイでラリーに出てみないか?」と声を掛けてみた。大学4年の7月のことである。すると意外にも出てみたいという。
実はその前の年に「ムスメをベルギーに行かせたからお前も何か勉強させてやる」といくつかメニューを出したら「タイでジャリ道を走る練習」を選んだのだった。すると到着した翌日にクーデター。電話してみたら「練習するみたいだよ」。気をつけろよ、と言うと3日目に全損クラッシュで入院。クルマ椅子で帰って来ることに。
そんな経緯で出場することになったラリーは、大病の後で体調が心配だったため私コ・ドラでございます。その時のレポートは下のリンクで。驚いたことにタイに到着した日は日本に居たときと同じく寝てばかりいたのに、レッキが始まるや徐々に元気を取り戻し始めた。食べる量も急激に増えて行き、下痢まで止まってしまう。
ラリーはメカニカルトラブルで厳しい内容だったけれど、終わって帰る道すがら、ステーキを食べるまでに回復。翌日から元気一杯メシばくばく。タイに行かなければムスコは今頃どうなっていたろう? その後、タイ国内戦2回と、2007年のキングスカップに出場。ラリーの楽しさを覚えたあたりで社会人になった。
今回ムスコの勤め先の工場がタイで洪水被害に遭った。「自分は新米だからナニも出来ない」と憂いていたので「3日間休めるならタイでラリーに出ないか?」と声を掛けると、意外にも「出たい!」。う〜ん。こいつも安請け合いのDNAかよ。翌日、上司に相談したら「仕事に影響がないならいいぞ」と言ってくれたそうな。
先立つモノだけれど、就職祝いで買ってもらったクルマを売却。足りない分はヨメが「将来の無いアンタと違うから」。若手にはこういった機会も必要だろう。ちなみにラリーカーは先代シビック。タイ国内競技用で、220馬力くらあるらしい。コ・ドラはヨーンさん。昨年のワタシのコ・ドラで、青木拓磨選手の相棒でもあります。
ムスコにとってタイは恩人のようなもの。未だにヨメと「タイでラリーに出てなかったらどうなったか解らなかった」と話をするほど。今回は県知事も来るそうなので、日本からのメッセージを伝えられると思う。こういう「恩返し」のカタチがあっていいかもしれない。さてさて。ヤツはボディサイドにどんなステッカーを貼るのか?
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安請け合いにとどまらず、親子っちゅうのは、血は争えませんねぇ〜というのは、他人事ではないおちょっかいです。
m(_ _)m
それにつけても、国沢家はスケールがでかい!!
親子で是非とも頑張ってください。
ステッカーですが、親父号には「息子と参戦!王様バンザイ!」息子号には「親父と参戦!王様バンザイ!」では、ベタベタでしたか。
(^-^ゞ
親子で参加!
いいですねぇ!ご子息もナショナルフラッグを
胸に抱いて、良い走りを!
がんばって!