日本の夢である三菱MRJ、主翼強度不足か?(21日)

日本の夢である三菱MRJの主翼に改良案件出てしまった。三菱航空機は「強度不足」とだけ公表。詳細をひた隠しにしているけれど、ファーストフライトを早く切り上げ「ほぼ予定通り」というすっきりしないコメント出したことを考えれば、当初から解っていたのかもしれません。主翼の強度不足なら深刻で、2017年6月とアナウンスされていた納期は大きく延びる。

三菱航空機からの正式なリリースは本日時点で出ていないものの、納期は最短で1年少々遅れの2018年末になる? MRJでデビューする予定だったP&Wの新世代低燃費エンジン『PW1200G』(従来型より10%以上効率良いと言われる)は本来の予定だった今年ローンチなら大いなる武器になったが、2018年末になれば標準的なスペックになる。

三菱航空機と同じ三菱重工傘下の三菱造船も納期の遅れで厳しい状況になっている。下の写真は今年5月に撮影した『アイーダ プリマ』という300mの超大型客船だ。三菱造船にとって『ダイヤモンドプリンセス』以来の大型客船である。本来なら3月に完成していなければならないのだけれど、写真の状況じゃとうてい。案の定、6月に伸び、その後12月の引き渡しに。

12211

アイーダ プリマ

驚くのが価格。三菱造船は長崎のドックで建造中の兄弟船と2隻合わせ1000億円程度で引き受けたと報じられた(否定していないため合っているのだろう)。その後、納期の遅れや仕様変更などで1600億円を超える赤字を計上している。この赤字、納期遅れが確実になった現在さらに増えている模様。船会社からの損害賠償を含め300億円以上掛かるとか。

12212

2番船は戦艦武蔵を作ったドックに

三菱造船は1番船が赤字でも、2番船以降で利益を上げる(4隻以上の注文を目論んでいた)つもりだったそうな。されど2番船の完成予定すら公表されていない。このままだと1000億円のフネを売るのに、2000億円以上掛かるのが確実な状況になっている。「MRJスゴイ」!で浮かれるのもいい。けれど一度足を地面にキッチリ付けた方がよろしいかと考えます。

御存知の通り三菱グループの創始者である岩崎弥太郎は多くの日本人から敬愛される坂本龍馬のマネージャー役をやったこともあり、明治維新の主力メンバーである薩摩と長州、土佐グループ(明治の首相はこの3つの藩から多数輩出された)でビジネスを担当した。三菱のベースは九十九商会であり、その前の名を後藤象二郎が起こした土佐商会という。

土佐商会こそ坂本龍馬の海援隊そのものである。逆に言えば、坂本龍馬の功績が認められたため三菱グループは国策企業としてずっと栄えてきたワケです。国家に支えられてきた、と言い換えてよい。三菱自動車はもはや普通の企業になったものの、三菱グループの人達と話をすると、今でも国を自分たちで動かしていると思ってるようだ。赤字など気にしない?

役人達は赤字上等。それと同じですね。昨今の状況、独立を好んだ坂本龍馬が見たらどう思うだろうか。かくなる上は「親方日の丸体質」からいち早く抜け出している三菱自動車が龍馬の遺志を引き継ぎ三菱グループ復興のイメージリーダーになってくれたら、と強く強く望む。三菱自動車が前向きに動き出したら、龍馬ファンとしちゃ最大限の応援をしたいと考えます。

<おすすめ記事>

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ