BMW R1150RS

11501フラットツインにシャフトドライブはBMWの歴史でもある。

アウトライン

初めてフラットツインに乗ったのは学生の時。何て乗りにくいバイクなんだろう、と思った。だって空ぶかしすれば左右にグ~ラグラ動くし、排気量の割にパワーだってもっさりしてる。ハンドリングもシャープじゃない。当時出入りしていたバイク乗りのクラブ(皆さん社会人)の先輩達が、何でBMWを好んで乗るのか全く解らず。しかし! 学生の時に飲んだウイスキーのようなものだったようだ。当時高級だった”ジョニ黒”さえコーラで割らないと「けっけっ!」。それが今やシングルモルトをそのまんま飲んで「ウマいなぁ」。今回5年ぶりくらいにBMWに乗り、良いウイスキーのようなバイクだと感心しきり。

エンジンフィール

今回試乗したR1150RSは1129ccの水平対向2気筒。排気量からすれば「猛烈なパワー」をイメージするが、国産車と比べるとやっぱりもっさりしている。しかし! 高速巡航に入るやイメージは一転。何と表現して良いか解らないけれど、簡単に言えば「味わい深い」のだ。アクセル開ければ「必要にして十分」なパワー出すし、疲れない。乗用車のようなトルク特性を持つ。100キロでの回転数も3千回転とバイクとしちゃ非常に低い。排気量をトルク出すために使っているのだろう。今回イッキに200キロ弱を走ったが、まだまだ走れた。6速60キロくらいでのエンジンフィールも抜群。ウイスキーの味の解る年代なら、きっと「これだ!」と思うんじゃなかろうか。ミッションは6速。

11502エンジンが張り出してますね。

ハンドリング

vシャープさの対極にある。高速巡航に入ると驚くほどドッシリし、外乱に対し非常にタフ。それでいてコーナーで立ちが強いかというと、そんなことない。寝かしていくと素直に深くバンクしていく。気持ちいいのは高速コーナーだ。寝かし込んだ状態で安定し、ラインをトレースするようなコーナリングを堪能出来る。ワインディングロードをガンガン攻める、というより余裕マージンを残して優雅に走るイメージか。攻めなくても楽しいのだ。転びたくないオヤジにゃ最適。これなら安全にバイクを楽しめそう。ブレーキは前輪掛けると前後に効く。ABSも付いているので、ウエットでのパニックブレーキだって安心。

ライディングポジション

やや前傾するBMW独特のポジション。身長183cmのワタシだとジャストフィットする。ハンドル位置とシートの関係も「これだ!」と思うくらい合う。ただ多少クラッチやアクセルといった操作系に腕力(握力か)を必要とする。200キロくらい乗ると、けっこうな負荷。毎日乗っていたら筋トレになる。楽しくバイクに乗って筋肉付くなら一石二鳥です。カウルは簡単に高さを調整可能。割とコンパクトながら高速巡航時に高くしておくと、しっかり風よけになってくれる。BMWのクルマ同様、シートはロングライディングでも疲れない。

11503バックミラーは速度域にかかわらずハッキリ後方が見えます。

2人乗り

そう遠くない将来(早ければ来年秋)に高速道路での2人乗りが解禁される可能性出てきた。となればロングクルージングを得意ワザとするBMWの良さがしっかり出る。大柄なボディとあってゆったり2人乗れる上、低速トルク太くハンドリングもスタビリティ重視だから疲れない。これなら夫婦で軽井沢までツーリングも楽しい。より快適なタンデムツーリングをしたいなら、大型カウルや一泊ツーリングの荷物入るケース付きの『R1150RT』(199万円)をすすめたい。

おすすめの乗り方

やっぱり誰が見てもカッコよく感じるんだと思う。みんなから似合うと言われた。くそ~、お世辞と解ってても嬉しいじゃないの! 意外なのはホテルなどでの対応。プロペラマークが効くのか、しっかりした場所に止めさせてくれる。もしお金に余裕あれば、一度フラットツインを試してみたらいかがだろう。私も5年に一度くらいづつ試乗してきたが、乗るたびに印象良くなってきた。体力あるうち、一度乗ってみて欲しい。BMWは「300km体感試乗プログラム」というのをやっており、3150円のエントリーフィーで一日試乗出来るシステムがある。ただし乗って欲しくなっても責任取れません。185万円

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