BMW F650GS ダカール

6501写真で見ると大きく感じないけれど、実車はデガいっす!

アウトライン

2000年の『パリ・ダカール・カイロラリー』で大活躍したF650RRレプリカ的モデル。カラーリングもラリーレイド用ワークスレーサーのレプリカ塗装である。写真で見るとサイズ感ないけれど、実車を見ると大きいの何の! 正しくオトコのバイクといった雰囲気。BMWとしちゃ珍しく水冷の単気筒エンジンを搭載Fシリーズは、デビュー当初は設計がBMW。アプリリアで車体を作りロータックス製エンジンを搭載するというモデルだったものの、2000年からBMW製の車体となった。ネットで評判をチェックすると、ネガな意見多し。あまり期待してないで乗ったのだけれど、おいおい! 何だか理想のバイクだったりして。

エンジンフィール

650ccという単気筒エンジンとしては最大級の排気量を持つものの、驚くくらい振動が少ない。もちろんマルチシリンダーと違い「どこどこどこ」的な鼓動はあるのだけれど、手がシビれるようなイヤなバイブレーション無いのだ。また、インジェクションを採用しているため(触媒も付く)エンジン始動だってセル押すだけ。気難しいチョーク操作さえしなくていい。3千回転以下は振動抑えるため若干トルク落としているようだけれど、そこは650cc。2千回転くらいから充分使えるトルク出す。3千回転以上回せば、フロント荷重抜けるくらいのパワー! 高速道路を使ったロングツーリングも全く苦にしないのがBMWらしい。

6502DAKARというパッドの下にABSカットスイッチがある。

ハンドリング

フロント21インチ90/90という幅の狭いオールテレーン(どんな路面でも高い次元でグリップするタイヤ)を履くため、乗る前はしっかり感に欠けるんじゃないか、と思っていた。しかし! おそらくキャスターかトレール量(アライメント)が大きいのだろう。非常にドッシリしている。停止寸前の極低速域で多少ハンドルの重さを感じさせるものの、走り出せば快適。直進安定性がいいのだ。また、さすがダカールラリーに出たコンペマシンの直系だけあって、コーナリングもめちゃくちゃ素直である。自分では試していないけれど、相当深くバンクさせても粘るとのこと。平均的なコンディションのグラベルを走ってみたが、これまた調子いい!

ライディングポジション

このバイク最大の弱点であると同時に、最大の魅力になっている。弱点は決定的。なんせ恐ろしくシートが高いのだ。身長180cmでギリギリ両足のカカト着く感じ。175cmくらいだと、ダカールでないF650GS用の低いシート(4cmくらい低くなるそうな)に交換しないとダメだろう。ただそうするとバイクで最も高いアイポジションを諦めなければならない。実際、F650GSダカールから見た”景色”は独特。ミニバンに乗っているようなイメージなのだ。街中だと死角少なく安全性確保にも寄与していると思う。ライディングポジションはロングツーリングにピッタリ。

65032本出しマフラーは触媒付き。

2人乗り

リアシートの座り心地やタンデムライダーのライディングポジションは全く文句なし! 何人か乗せてみたけれど、皆さん絶賛である。トルク特性がいいため、加速Gもマイルド。リアにハードボックスなど装着してやれば、理想的なツーリングバイクになると思う。運転する側にとっても非常に楽。直進安定性高いため低速走行だってフラつかないし、高いギアでもアクセル開けるだけで十分加速するのだ。足さえ着けば、これほど疲れないバイクはないだろう。大きなサイドボックスを2つくらい加え、二人で北海道ツーリングなどしたくなる。

おすすめの乗り方

間もなく解禁されると言われる高速道路の二人乗りが出来るようになれば、これほど素晴らしいロングツアラーは無いと思う。渋滞路から市街地のストップ&ゴー、流れの良い一般道や荒れた路面、高速道路までこなす。小さいカウルは意外に風避け効果有り、疲れを少なくしてくれる。もちろんレーサーレプリカのような走りを期待するとガッカリするけれど、オジサンになってしみじみバイクと付き合いなら最高の相棒になってくれるんじゃなかろうか。北海道で開催される2004年のWRCは、F650GSダカールでいかが? ABS付き104万5千円/無し98万円

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