テスラの株価、イッキに40%下落。今後、売れ行きや利益率は確実に悪化していくとは思う

テスラの株が40%も下落した。こういった状況、既存の自動車メーカーだとあり得ないこと。既存の自動車メーカーの株価は「不動産に代表される資産など含めた企業の価値」である。一方、テスラの場合「今後の伸びを考慮した期待値」。投資のようなもの。したがって実態以上の株価になっていた。資産価値を含めたトヨタの株価からすれば、80%下落してちょうどいいくらいです。

時価総額 トヨタ/57.3兆円 ホンダ/9.3兆円 テスラ/77.7兆円

したがって40%の下落など驚くに値しない。販売台数も落ち、今後の伸びに期待できなくなった時点で、年間販売台数200万台規模の自動車のメーカー(ホンダが200万台)の価値になるだろう。問題はテスラに伸び代があるかどうか、だ。自動車業界の認識だと「厳しいでしょうね」。テスラが伸びる余地、それほど大きくないと思う。昨今の電気自動車販売を見ると落ちる方向。

考えて頂きたい。電気自動車の販売は踊り場を迎えている。伸びている中国と新興国は”テスラキラー”を山のように並べている中国勢が強い。昨年のこと。中国の新興メーカーとテスラを乗り比べる機会をTEINで作ってくれた。もはや勝負付いた感じ。中国で急速にテスラの販売は落ちているのを見て「そうらそうでしょうね」。テスラ、中国市場を諦めなくちゃならないと思う。

アメリカや欧州市場はどうか? 前述の通り電気自動車の販売が伸び悩んでおり、しかも既存の自動車メーカーだって作った台数を売らなければならない。当然ながら政府もバックアップする。今まで電気自動車といえばテスラだったものの、ここにきて多数の競合車と勝負しなければならない状況。実際、テスラは劣勢になっており、だからこそ世界規模で値下げ戦略をとる。

そもそもテスラの電池は上海工場製を除きパナソニックの三元系リチウム電池であり、価格競争力に限界がある。既存の自動車メ-カーがホンキになって電気自動車を手がけるようになると勝てない。さらにクルマとしての商習慣が全く違う。テスラのオプション、PCのソフトと同じ。権利を買うというカタチを取るため、手放すと継承出来ない。名義変えたら消えてしまう。

どう考えてもおかしい。加えて修理しようとしたら時間が掛かる。部品を買おうとしてもややこしい。事故やトラブルの原因はブラックボックスで教えてくれない、等々、様々な「既存のメーカーとの違い」がある。ポジティブにとらえる人からすれば問題無いだろう。少なくと私は乗らないし、すすめない。とはいえイーロンマスクの人気ときたら陰らないから興味深い。

イーロンマスク神話が無くなるまではテスラの株価は誰にも読めないです。

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One Response to “テスラの株価、イッキに40%下落。今後、売れ行きや利益率は確実に悪化していくとは思う”

  1. トヨタ車ユーザー より:

    実は正直言って、中国で地場メーカーと同様に値下げ戦略を行ったテスラを見て驚きました。従来のメーカーだとどちらかというと価格を下げないように(ブランド価値も下がってしまう)価値を上げる方向でがんばるもののような気がします。しかし、テスラがそれができたのは「期待値」のお陰だったのかと理解できた次第です。
    中国のカーメーカーがどうしているのかは不明ながら、支持されているという事は不便のないアフターフォローができているんだと思います。BYDが実店舗を重視するのも中国人や日本人の買い方に合わせたからです。
    あとやっぱりADASが弱い(宣伝通りでないレベル2止まり)のも気になる。
    イーロン・マスクはTwitterのようなSNSとか宇宙事業にも興味を持っており、その資金のために自動車事業=テスラを売り抜けるようなこともするかもしれません。というか、しても驚かないです。

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