新型プリウスは205万円から
びっくり仰天とはこのことだ。5月に発売される新型のプリウスの価格(現時点でディーラー向けに通達されている金額です)を見ると、トヨタは本気で
「変化しないものは生き残れない」というダーウィンの進化論を実践しようとしているように思える。このくらいのことをやらないと100年に一度の不況は乗り切れない、と考えているんだろう。
ということで新型プリウスの価格なのだけれど、ベーシックグレードの
『L』はまさしく205万円! しかも! 以前も書いた通り、VSCやサイドエアバッグ、アルミホイールまで標準で装備されている。現行のベーシックグレードが233万円だということを考えると、実質的に40万円程度の値下げだ。ちなみにインサイトの189万円にVSAとサイドエアバッグをオプション装着した金額より10万円ほど安くなってしまう。
また、Lだと省かれてしまうオーディオなど必要な装備がほとん
ど付く実質的な売れ筋となる『S』は220万円。クルーズコントロールや革巻ハンドルまで付く『G』も値下げされ245万円に。気になる継続生産のプリウ
スだけれど、こちらは189万円とのこと。VSCとサイドエアバッグは付かないものの落とすと予想されていたアルミホイールは残るようだ。
イッキに厳しくなったのがホンダである。こうなれば189万円のインサイトはナビやVSA、サイドエアバッグなど標準装備にするなど実質的に30万円程度の値下げを行い、開発中のフィット・ハイブリッドを可及的速やかに150万円を切る価格で出すといった「自動車評論家もウソだろ!」、と感じるくらい大きな変化」をしなければならない。トヨタですら現行プリウスのキャンセルが出始めているのだ。
インサイトがデビューした直後から直感的に高いと感じ、嫌われるの覚悟で様々なメディアにおいて「決して安くない。このままだと厳しい」と書き続けてきたから(おそらく開発責任者もうるさいヤツだと思ったろう)、ホンダも覚悟していたことでしょう。
<おすすめ記事>
AllAboutで『なぜ人はうまい話に騙されるのか?』というコラムがあります。そこの結論では『考える事から逃げては儲からない』となっています。今までの流れや諸々を考えて、そんな甘い話があるかt・・・
嘘だろ!
いや、トヨタが本気を出すのはイイ事です。しかしそれは無謀ともいえる価格戦略で他を駆逐することではありません。歪が販売店の報奨金の減額、中古車相場の下落、他車種の断絶、そして物価のデフレ化を進ませる。そんな事でもない。車がプリウスだけになることでもない。そんな未来、俺はイヤです。
新型プリウス、やってくれますね。大型化と排気量アップ、知らない装備までつけて高額化の一途をたどってきた日本車が、やっと原点に帰ってきたと実感します。日本車の原点とは、良いものを安く、そして高等高価な技術を庶民の手に送り届ける事だと思います。
クルマ好きはその昔、ポルシェターボに憧れて、マークツインターボを買ったり、シティターボでかっ飛んだりした訳ですからね。
今回のプリウスの価格設定は、一桁多く販売したいとペイできないのでは?と心配するほど凄い!ダンピング呼ばわりさせるかもしれません。
でも、今のクルマ市場の閉塞感をぶち破るインパクトがあります。インサイトのホンダも、ハイブリッド開発中の世界のメーカーも、ベンチマークがやたら遠くに行ってしまってビビっているかもしれない。けど数年後、プリウスに追い付け追い越せで、いろいろなハイブリッドがリーズナブルな価格で登場している事でしょう。
今回のトヨタが投じた石の影響は、オバマ大統領の演説よりも大きい!
はじめてトヨタを心の底から尊敬しました。
正直205万円は疑っておりました。衝撃の価格です。いまだに信じられません。
ただモノの価格には適正価格があると思います。一次下請け、二次二次下請けはじめ、投資した金額を回収して次の投資につなげなければなりません。
しかしこの価格で投資を回収できるのでしょうか?回収できるのであればトヨタはもともとボッタクリと思われてもしかたないでしょう。あるいは赤字覚悟で大盤振る舞いであればあっぱれです。(下請けいじめでなければいいのですが・・・)
昨今はまたしてもデフレに逆戻りと言われておりますが価格競争が激しく電機業界では稼ぎ頭のテレビでさえ重荷になりつつあります。
今回のトヨタの値決めはユーザーにとっては大喜びかもしれませんが業界にとっては厄介な価格となるのではと感じています。
競争という意味では資本主義社会では仕方のないことかもしれませんが、リーダーとしては経団連などを通じて政治的に現状を打開することを働きかけることをもっと優先すべきだと思います。
賛否両論、一石を投じたということで良い方に転べばいいですが・・・。
製造業の端くれに身を置く者の意見です。
新型が205万円、旧型が189万円。
おそらく新型は値引き0円でしょうが、16万円差では旧型はあまり売れないのでは?
ということは、インサイトと値引き合戦の対象になり、更にお値打ちになると見ます。
いつもは複数ディーラーで相見積りしますが、今回ばかりはすでに30万円の値引き済なので、おとなしく契約しそうです。
でも現行プリウスを下取りに出すと、かなり厳しい値付けになりそう・・・
これは一種の囲い込み戦略だと思います。
確かに、この価格で利益を出すのは難しいかも知れません。しかし、トヨタには12億円と言われる内部留保があります。プリウスで赤字を出しても、数年は持ちこたえられます。
すると、とにかくプリウスに乗せてしまい、ユーザーにガソリン代のかかるクルマに乗り換える気を起こさせない。数年したら景気も回復するから、マイナーチェンジで価格改定、そこで儲けを出して4代目プリウスにつなげる、というのもアリではないでしょうか。
こうなると苦しいのがハイブリッド出遅れ組。
電気自動車の実用化か、お正月に国沢さんが言ってたような超低価格車に賭けるしかないように思います。
あくまでも日本での販売価格だけであってメーカーにとっての価格崩れはまず考えられません。日本のマーケットはこれから確実に縮小して行くので日本国内に売れる車種に絞って海外にない安さで販売する方が賢明ではないでしょうか。今後アメリカとかの新型プリウスの販売価格は楽しみにしていますが…