中国の日本企業略奪が始まった
中国の狙いが「工場進出させて技術を移転し、ある程度ノウハウを蓄積したら追い出す」ということは最初から解っていたこと。それでも大きい市場を見過ごせない、そんなことから日本の企業は1990年台後半から中国に入っていった。
進出を決断した第1世代の人達は「ダマされてもいいよう、小規模かつ慎重に」だったものの、2世代目になり「拡大していかなければ勝負にならない」。やがて2005年あたりから「やるしかない!」に切り替わり、ドップリはまってしまう。
さらに2008年のリーマンショックも中国だけ軽微だった。この頃から日本の自動車メーカーは能力のある人材をドンドン中国に送り込んでます。そんな状況の中、尖閣問題から発生した排日運動が始まる。完全に業績アタマ打ちになりましたね。
そしていよいよ「追い出し」が始まったかもしれません。中国政府は日本の自動車部品メーカー10社に独禁法違反という根拠で突如合計200億円もの制裁金を課すと発表した。1社あたり平均20億円弱。現在の状況だと厳しい金額だ。
加えて独禁法の根拠も解りにくい。中国の資本を入れろ、ということなんだけれど、逆を考えれば「中国に工場と技術を提供しろ」と言ってるようなもの。考えて欲しい。制裁金は中国政府に入る。そして日本企業は中国のパートナーを探さなければダメ。
当然ながら中国側に投資してもらうカタチになるのだけれど、中国側は国営。何のことはない。制裁金を日本企業から取り、そのお金を日本企業に払うワケです。中国政府からすれば無料で日本企業の株主になれてしまう。凄いと思わないだろうか。
逆らうことは出来るか? 出来まい。なんたって中国政府=中国共産党であり、何でも共産党内で一方的に決め、実効していく。相手側のルールでやっている以上、今後、様々な方法で骨抜きにされていくことだろう。いや、骨だけで無く身も取られる。
そろそろ中国とのビジネスを抜本的に見直す時期だと思う。上手な撤退戦略を描けた企業が少ないダメージで切り抜けられる。「中国を信じる」という役員もいるかもしれないけれど、ここまで来たら早く夢から覚めるべきだ。
中国が自国で生産出来ず、それでいて欲しがる技術やモノはアメリカ、欧州、新興国で生産するしかない。中国への工場進出など考えないこと。ムカシから日本の知識人は中国を好む。されどその「中国」は今の政権とイコールじゃないことを認識すべきだ。
<おすすめ記事>