チャプター11

以前から何度も取り上げてきた米ビック3の低迷ながら、ここにきて年内にもキャッシュフロー(給料の支払いや材料の購入等、すぐ必要な資金)が無くなるため公金の投入を検討しなければならない段階になってきた。ビック3はオバマ次期大統領に秋波を送っている様子。

されど考えて欲しい。現段階で公金を投入しても未だ出るお金はダダ漏れ状態。砂地に水を撒くようなもの。加えてアメリカ政府だって資金などない。当然の如く米国債(米政府の借金)を発行することになるのだろうけれど、そいつを買うのは言うまでもなく日本である。

何のことはない。ビッグ3向けに公金を投入すること=私らがお金を出すと言うことに近いのだ。かくなる上はチャプター11を申請し、借金や債権をチャラにするしかあるまい。ビッグ3の借金や債権を持っている人は大損するものの(連鎖倒産も出るだろう)、それしか選択肢は無い。

以前からビッグ3の動向についてアメリカ人のジャーナリスト、ボブ・スリーバさんと論議してきたのだけれど、昨晩初めて「クニサワの言ってきたことを認めるよ」。もはやどうしようもない段階を迎えている。アメリカの景気低迷は製造業の精算が終わるまで続くと思う。

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3 Responses to “チャプター11”

  1. アマチュア部員 より:

    ビッグ3に公的資金を投入するほどの保護政策ですから、輸入車に対しても厳しくなることは容易に想像できますね。
    近年、グローバル戦略をとってきた日本車にも当然大きな影響が出てくると思います。
    特に心配なのは、技術的に圧倒的なアドバンテ-ジがあるハイブリッド車です。
    米国のエコカー部門を独占しているプリウスですが、来年、米国で予定どおり新型を発売できるかが心配です。
    THS-Ⅲのみが輸出されるようなことにならなければいいのですが・・・
    いずれにしても、少しでもいい状況になることを祈るばかりです。

  2. ビッケ より:

    私もそう思います。
    アメリカは、今まで寛大でしたが時刻を守るようになると思います。内需で商売できないと厳しいでしょうね。

  3. エコ より:

    話は少し違ってしまいますが、ヒュンダイというメーカーは今どういう状況なんでしょう?
    プラダ・ジェネシスを製作中みたいな情報もあったり。なにか、LGが携帯電話で成功した策をそのまま自動車で展開しようとしてる感じです。
    僕自身、ヒュンダイ/キアはバランスの良いデザインをするのがうまいメーカーだな、という印象です。特にヘッドライト・テールランプ・グリルなどのパーツを不自然なくボディと一体化させる処理がうまいと思います(一部、日本車以上?)。ボディの艶やかさの演出も悪くない。内装デザインも凸凹をなくすことに徹していてクリーン。
    全体としては収まりのいいデザインの出来る安っぽいメーカーという感じ。
    ただ、その安っぽいというイメージがジェネシスによって本当に払拭できてしまうのだとしたら、日本メーカーにとっては再び脅威に感じるんではないでしょうか?(海外市場において)
    あるいは、意外とそこに関して楽観視する空気が業界にあって、語る評論家さんたちも少ない、ということなんでしょうか。
    国沢さん、あれからジェネシスの試乗はされましたでしょうか?
    長文失礼しました。

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