ブリヂストンどこに行く?

30年くらい前のこと。「タイヤは単に黒くて丸いゴムなので、イメージ戦略をキッチリやらなければ売れないんです」とブリヂストンの広報やマーケティング担当にレクチャーされた。当時、この業界に入ったばかりの私は「なるほど!」と思い知った次第。しかし。そのブリヂストンが迷走し始めている。

F1から降りたのは当時の政治背景からすれば理解出来る。されど来年からモトGPも撤退するという。現時点でブリヂストンはモータースポーツから半撤退状態。キッチリ手がけているの、日本のスーパーGTくらいだ。ラリータイヤから撤退して久しいし、カムバックするというウワサすらない。

すでにリプレースタイヤのシェアは世界規模で落ち始めている。そらそうだ。日本でこそモータースポーツなど売れ行きやイメージに関連していないような雰囲気ながら(実際はブランドイメージに大きく影響してると思います)、世界市場を見ると依然としてモータースポーツ熱は高い。

ブリヂストンに変わって人気赤丸上昇中なのがヨコハマだ。WTCCのコントロールタイヤになっている他、SUV用タイヤじゃ人気世界一。ラリータイヤも日本以外で売っていないのに、高い評価を受けている。アジアのラリーに出場していると、何度も「ヨコハマのタイヤを売ってくれないか?」。

「変わり始め」というのは解りにくい。もしかするとブリヂストンの圧倒的優勢は、少しづつ変わっていくのかもしれません。強いて頑張っているの、スタッドレスタイヤか。昨年発売した新製品はなかなかでございます。クルマにしろタイヤにしろ、夢を追いかけていないブランドは厳しいと思います。

もちろんモータースポーツじゃなくても良い。結果としてブランドイメージを高められれば良いと思います。されど競争が一番シンプルだし、分かり易いんですね。

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