ホンダ中国で修行中
ホンダが中国でタイヘンなことになっている。変速機を作っている工場のストにより、4つのホンダの工場が止まっているのだ
(24日から2カ所。26日より2カ所)。大手メディアの報道によれば「日本人の技術者の給料と、工場のラインに居る中国人ワーカーの給料の差をケシからんと言ってる」。
中国人ワーカーの月給は1万3500円。中国に駐在している日本人技術の給料(67万5千円)の50分の1だという。ちなみに中国人ワーカーの月給として考えれば平均値。日本人技術者の年収810万円も、駐在を任されるくらいのポジションなら平均的だと思う。こういった年収差、ごく普通。
というか中国人ワーカーの月給と駐在している日本人の技術者の給料差を無くすことなど不可能。こらもう日本に駐在している外国人の給料だって同じ。日産を見ればよ〜く解る。外国人と日本人の年収差は驚くほどデガいそうな。そんなことストが出来るのなら、とっくに打ってることだろう。
というのが大手メディアで報道されている内容。内情を見ると若干違うようだ。ホンダの完成車工場は全て中国政府出資の企業との合弁である。広州本田の相手である広汽集団や東風本田の相手の東風汽車のTOPは全て政府関係者。したがって給料体系など中国政府でコントロールしている。
しかしストを打っている変速機工場は100%ホンダの出資で、給与体系も日本人が決めている。当初、変速機工場の中国人ワーカーは「完成車組み立て工場と同等の給与水準にして欲しい」と要求したらしい。これを上手に対処出来なかったようなのだ。日本人と中国人の考え方は違う。
このままだと広州本田や東風ホンダの業績に影響出てくるため、間もなく中国政府が調停に出てくるだろうけれど、日本企業に取っちゃ手痛い「過去例」になると思う。なんせストを打たれても無策だったのだ。今後、日本の企業100%出資の工場はこういったトラブル続出になるかもしれない。
つまり「労働コストが安いから」と中国でフリーハンドにビジネスすることなど出来ないということ。言い方を変えれば「中国政府の管理下でビジネスをしなさい」です。もし安い労働コストを求めるのであれば中国よりベトナムやカンボジア、ラオス、フィリピンなどを考えた方がいいでしょう。
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私は自動車産業に従事している者ですが
ホンダに同情はできません。
コスト削減の為に海外に安い労働力を求めて出て行った結果、
それまでホンダと取り引きのあった知り合いの企業は
結構数瀬戸際に来ています。
日産もまた同じです。
上手い話など早々ない。
カントリーリスクを考慮した上で海外に出たのだ。
そのツケは甘んじて受けなければならんでしょう。
これまた興味深いお話ですね。どうも最近のホンダはかつての慎重さや強かさが無くなって、殿様的になってるような気がします。新興国で出遅れているトヨタと似た社風なのではないかと。
また仰るとおり、もはや中国は労働力の安さだけを目的に進出するような国では無いと思います。また国内市場が急成長しているからといって、何でもやれば成功するわけではない。例えば、リタイヤした日本人が退職金をはたいて上海で飲食店を出すものの、言葉も習慣もわからずに失敗して全額失う、といったケースがよくあるようですが、あまりにも無防備です。
そんなこんなで、日本では中国に対して全否定か全肯定のポジションしかなくなってしまうんですね。バブル期までの皆が一斉に同じ事をして儲けられる時代を過ごして来た団塊前後の人は、中々その感覚が抜けないんですかね?
おはようございます。ホンダの中国に於ける?失敗だとすると、給与の格差という人間が気にしやすい浮世の沙汰は・・
・近年の世知辛い風景に重ねみて持病の悪化という趣きでしょうか。私も失敗が多くて、コメントの送信ひとつまで上手くいきません(国沢様にもご迷惑かけているでしょう申し訳ありません)。ただ、このサイト欄を拝見しましても、納得のいく話し合いが出きれば情勢の悪化もないので、ホンダも各社も健闘を祈りたいです。 ちなみに、最近フジ系で始まったドラマで上海での劇?が・
・・工場の立ち退き反対デモでしたから・・・しばらく忘れていた諸問題。 いま罹患している政府の歪みも、どなたか最善の指摘をして治れば・・ありがたいのですが。諸外国の人々には、この日本の騒動は?どう映っているのでしょう。
「大手マスコミ」の報道
=「中国人の労働者がムチャクチャな要求をしている」
実態
=「中国政府に仕切らせないから混乱した(させてる?)」
だとすると内容が全く違いますね。
これからもこう言った鋭い報道を期待しています。
こういう話を聞くとやっぱり中国は基本的に社会主義国なんだな〜て思いますね。で一般労働者は政府の監視がなければ少しでもお金をたくさん稼いでいい凝らしをしたいと思ってストをする。とっても分かりやすい人間的な人達ですね。一般市民の市民感情が社会主義の枠からはみ出しそうになってる様に感じます。廉価な労働力だけ求めておいしとこ取りするにはチと難しい国かも知れませんね。
いつも拝見させて、いただいています。
私は、ホンダのエンジン制御技術が、ブラックボックス化されているので、中国側としては、出資しない限り、収まったとしても、再び問題が起きると、おもいます。
海外移転した企業は、技術も機材も、くれてやる!位の気持ちで、日本国内の企業、国民、は考えなければ、いけない時期なのでしょうか?
問題の本質は今の中国は労働力の売り手市場となっていることと外資系にしてはあまりにも安い賃金だと思う。