実際のNOx排出量が話題になり始めた
VWのディーゼル不正、なかなか新しい情報が入ってこない。ここにきて欧州の関心事が「どんな規模で不正を行ったのか」という点に集中してます。驚くべきコトと言うべきか、何となく予想していたコトながら、欧州の自動車業界を代表するエンジニアであるハッケンベルグも了承していたらしい。ここから推察すればヴィンターコルン元会長は知らなかった可能性大。
ハッケンベルグくらいの実力あれば、自分で留めておくと考える。もう一つの動きは実際のNOx排出量のデータがたくさん出回り始めたこと。下はベンツC220とアテンザのユーロ6規制車のデータ。規定では0,08g/kmとなっている。表は左から二つ目までが「実際の排出量」。三つ目から「規制値との乖離」を示す。ベンツの「複合」で1倍(規制値)ということです。
マツダが違法というワケじゃない。実際の走行モードとモードテストと運転方法が違うためである。もっと言えば規制値はモードテストに於けるkmあたりの数字。燃費が半分なら排出量2倍になってしまう。日本車メーカーのエンジニア曰く「アイドリングなら走行ゼロでNOxはそれなりに出るため無限大になります!」。この件、今まで何度も書いてきた通りだ。
またNOxについても英『トップギア』の元人気司会者、ジェレミー・クラークソンが私と同じようなことを書いている。私もこのくらいハッキリ書くべきだったかもしれません。中途半端だと攻められます。とはいえNOxの実際の排出量問題は今後出てくると思う。いずれにしろユーロ7や新世代のアメリカ規制が施行されれば、NOxは今よりもっと削減しなければならない。
アメリカのように厳しい耐久要件を付けられたらNOx触媒タイプの後処理装置だとクリア出来ない可能性大(尿素SCRの耐久性は100万km以上と言われている)。ディーゼルにとって厳しい時代がやってくることは間違いない。二酸化炭素の排出量と大気汚染の両方を重視するなら全域ストイキ燃焼を行うトヨタ方式のハイブリッドが一番ということになります。
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