3モーターHV
もはや「旧聞」ながらホンダ伊東社長の記者会見があった。タイミング的に中国の騒乱は織り込めなかったろうし(情報不足だったろう)、軽々にコメントすることも出来なかったことだろう。そいつを考えれば久々に元気をアピール出来たと思う。特にコンパクトなクルマで勝負する、という方向は説得力ある。しかし‥‥。
高級車用に3モーターのハイブリッドを販売するという。前輪の駆動用に日産と同じタイプの1モーター式ハイブリッドを。後輪は左右に1つづつモーター付け、左右のトルク差を出してやろうという狙い。この技術が使われている試作車に試乗している。面白いハンドリングだった。ストレスなく曲がるのだ。
普通、タイヤに発生する横力でコーナリングフォースを出す。したがって「コジレ
る」感覚となる。トルク差を出したコーナリングって超素直。ただシステム全体で考えたらどうなんだろうか? おそらく後輪の駆動システムだけで100kg
以上。前輪のハイブリッドシステムも重い変速機を使うため100kg近く重くなるかと。
ハイブリッドを止めたら200kg軽くなるワケ。
だったら思い切り軽量化し、レジェンド級で1,4トン以下なんていかがだろう? 空力の良いボディに、1,6リッター級のガソリンとディーゼルエンジンを
搭載したラグジュアリーセグメントのクルマだったらワクワクします。という素直なクルマ作りは出来ないものだろうか。
NSXはこのシステムを
前後逆に使う。NSXの弟分としてハイブリッドシステムを降ろし、1,6リッター250馬力級の4気筒ターボを搭載。ボクスター程度の価格で売ったら大き
な市場あると思う。1500万円するNSXにゃ魅力を感じないが、600万円のミドシップスポーツなら一緒に暮らしてみたいと考えます。
トヨタもホンダも「米」や「パン」に当たるベーシックカーは頑張っている。そういった意味じゃトヨタもホンダもインドネシア工場で作る小型車に興味あります。しかしミドルクラス以上のクルマの場合、「機能面の新しさ」が必要。右肩下がりになっている電機業界の決定的な問題点は「新しさ」を打ち出せなかったこと。
悪く言えば「清貧」。よく言えば「座って半畳寝て一畳」的なコンセプトのクルマが21世紀に似合う。一度クルマの原点に戻って考えるべきじゃなかろうか。1リッターエンジンを搭載し、100万円で20km/L走る楽しいクルマを作れるメーカーが、乱世を生き延びられることだろう。そこが日本車の持ち味だと考えます。
何度も書くが、1人前2万円のお寿司を毎日20人前作るより、800円と少し高いけれど1時間並んででも食べたくなる美味しいラーメンを1000杯限定で売った方が多くの人を幸せに出来るし、作る側の雇用も確保できる。しかも技術や工夫という点で1人前2万円の寿司以上に努力しなければならない。
・ECOカーアジアは「トヨタの環境技術。目新しいモノ無し」
<おすすめ記事>
個人的には、残念ながら件の3モーターHV高級車は500,000%売れないと思います(笑)。いくらHVとはいえ重過ぎでしょう。純粋に「燃費が良いクルマ」になるとは思えません。恐らく「走る楽しさ」等の3モーターならではの付加価値をアピールしたとしても、よほどお金持ちでホンダ好きでなければ買わないでしょう。私は? 興味深々ではありますが、もちろん買えません(笑)。リアワイパーが付いていれば話は別かも知れませんが(笑)。
次期アキュラRLXのハイブリッドはそういうシステムだったんですね!すごいですね、驚きです!
ただ100kgですか・・・
でも技術のデモンストレーションとしてのトップモデルとしてはいいと思います。
また、次期RLXにはFFのハイブリッドてはないモデルもあるようなのでそちらとの差も楽しみです。
次期NSXでも、先生の仰る安価なバイブリッド無し版があるといいですね。
ただ、全く同じ外観、名前だとバイブリッドNSXの存在意義やフラッグシップとしての価値が曖昧になってしまうので、
ポルシェの911とケイマンの関係みたいに、
外観のイメージは踏襲するけども、少し違うものとし、
名前も○SX(○は、何かアルファベット)と少し違うものとして、
バイブリッドNSXより1〜2年遅れで出たりするとブランドイメージ的にもいいと思いますね。
国沢さんの唱える「100万円で20km/L走る清貧なクルマ」に近いのは新型ミラージュですかね。もっとも楽しくなさそうなので失格ですか。
一方いま日本で売れてるクルマは、ハイブリッドと軽自動車です。ハイブリッドは200万円以上、軽も最近は140万円と「清貧」ではありません。それなのになぜ売れるのか。
ハイブリッドは補助金、軽は優遇税というアメがあるからです。補助金も排気量別税制もそろそろ止めるべきではないですか。
本当の「清貧」なクルマが売れるためにも。
もしかしたらヒットするかも知れませんが、
家電の二の舞になるような気がしてなりません。
家電の場合価格がネックで、
韓国勢に対抗出来ないから、余計な機能を付加して、
余計価格が上がって失敗したわけですが、
この車の場合は、
ハイブリッドのシステムを複雑化して、やたら重くして、
燃費や動力性能や楽しさを犠牲にしてそう・・ですね。
むしろ、2リッターぐらいのディーゼルターボ+アイドリングストップ・エネルギー回収で、
軽くしたほうが良いように感じます。
なによりホンダのネックは「セダンが格好悪い」です。
トヨタや日産のように、「結構良いのに、ここが惜しい」というのが無いのです。
もう、一からデザインをやり直してください、としか言いようがないです・・・
追記
>前輪の駆動用に日産と同じタイプの1モーター式ハイブリッドを。
とありますが、日産式1モーター2クラッチの技術もモノにしていたんですね!
この方式のFFハイブリッド車も出せばいいのにな、とは思います。
ホンダは
1モーター2クラッチ式ハイブリッド
次期アコードの2モーター式
小型車用のパラレル式
インホイールモーターによる駆動+1モーター2クラッチ式ハイブリッドの複合型
と、現在考えられる全てのハイブリッドシステムを持っているんですね!
ただ、次期アコードには日産式1モーター2クラッチ式を単独で使わないで、2モーター式ハイブリッドとしたのはなぜなのでしょうね?
それと次期RLXと2014年に日本で出ると伊藤社長が言った次期レジェンドは同一のものなのでしょうか?
日本市場の場合、次期RLXをレジェンドとして出せば、
おそらく現行レジェンド同様、それ以前までのクラウン並みの価格であったレジェンドよりも著しく高価になってしまうでしょうし、車体も大きいと思います。
また、そのLS並みの大きさで車名が「レジェンド」、価格が600-700万ではブランドステータスも伴っていないので売れないでしょう。
私の予想では、次期TL(TLX?)を日本市場では「レジェンド」とするのではないかと考えていますし、そうする方がいいかな、と考えます。
それならば価格やサイズがフーガ、クラウン(やや小さいが)、GS(やや高い)並みと出来るので、ある程度の勝負は出来ると思います。
また、その次期TLXのトップモデルに、1モーター2クラッチのハイブリッドFFモデルをラインナップすればいいかな、なんて思います。