日産の完成検査不正の件、日産車ユーザーは少しメリットあるかも
日産の完成車不正、リコールすることになった。一般的にリコールといえばユーザーにとって面倒なだけである。しかし今回の件、該当する日産車に乗っているユーザーは少し得するかもしれない。一回目の車検点検が無料になる可能性が大きいからだ。
間もなく1回目の車検となる日産車に乗っているとしよう。車検を1度も通していない車両は、今回”ほぼ”全車リコールの対象となる。日産に問い合わせてみたら「国交省が認可した日産の整備工場で車検時と全く同じチェックを受け、合格してから返却します」。
つまりディーラーから戻ってきた車両は車検を合格出来た状態ということになる。ちょうど車検のタイミングだったとすれば、そのまま車検場に持って行き、検査ラインを通せば問題無くユーザー車検に合格するということだ。この点、日産に聞くと「当然そうなります」。
もし2ヶ月後に車検だとしたなら、車検の切れの1ヶ月前のタイミングでリコールに出し、そのまま車検場に持って行くと1回目の車検を格安で取れるということ。こう書くと「リコールなのだからすぐ持って行くべきだ」という意見も出るだろう。確かにリコールは早めに出した方が良い。
しかし。タカタのエアバッグのリコールを見ても解る通り、今回より一段と危険性高そうなのに1年経っても対応してくれないことだってある。交換するエアバッグが間に合わないからだ。逆に考えれば、リコールされたので直ちに対応しなくても良いケースだってあるということ。
すでに報道されている通り、今回の完成車不正は危険性があるワケではない。液漏れやガタや緩みなどを入念にチェックする厳しい工場の完成検査をクリアし、サイドスリップやヘッドライトの光軸だって合わせている(完成検査の時に計測した数字も残している)。
さらに日産の公式コメントではないが「まだ決まっていませんけれど車検の時期とリコールが重なったら、車検整備費用の二重取りはしないと思います」。実際、ディーラーが行うリコール対策費は、日産の本社から支払われる250億円に含まれる。
ディーラーとしてはユーザーでなく本社から点検費用を貰えるため損も無い。ということでリコール対象になった日産車に乗っているなら、車検の時期とリコールを合わせた方が良いかもしれない。
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