RAV4 PHVのオーダーストップ、パナソニックに対する意趣返しだと私は思う

RAV4 PHVがオーダーストップになった。年内に生産出来る台数のキャパシティをオーバーしたとのこと。来年度分の補助金について決まっていないため、当然だと思う。なんせ国内販売計画台数は月間300台。スズキ向けに年間3000台供給する約束になっている上、アメリカでの爆売れは容易に予想出来る。どうしてRAV4 PHVをもう少し高い価格にしなかったのか?

上はスズキ向けの「アクロス」

常識的に考えると物理的に生産出来ないのなら高い値付けで利幅を確保するべきだと思う。けれどトヨタは「今日の利益」だけじゃなく「ソコソコ儲かる明日の台数」も考えなかったのかもしれない。ゲームチェンジを狙いホンキでPHVを普及させたいと思ったに違いない。だからこそ世界規模で月販1万台くらいの生産規模をイメージし戦略的な価格設定にした。

RAV4 PHVを取材した際、この価格なら圧倒的に売れると思うが生産追いつくのか、と聞いてみた。すると「バッテリーの生産キャパシティが足りなくなると思います」。トヨタは圧倒的なバッテリーの供給能力不足になることが解っていた、ということです。おそらく開発の段階でバッテリーを生産するパナソニックがトヨタの要求生産量について難色を示したんだろう。

試乗レポート

パナソニック、テスラで痛い目にあったため「なるべく投資したくない」というビビりモードに入っているんだと予想する。爆発的な初期受注で、パナソニックも覚悟を決め、バッテリーの供給台数の大幅増を決定すると思う。022年くらいからトヨタとパナソニックの合弁会社は、中国に負けない規模でのリチウム電池工場を立ち上げることになるだろう。良いことだ。

今日の話題をもう一つ。すでにキックスはディーラーに試乗車が出回っており、読者の皆さんも試乗してフェイスブックなどにレポートしている。私らもディーラーで試乗しようとすれば可能ながら、客でも無いのに試乗車を使うことになります。それは基本的にやらない、というのがメーカーと自動車メディアで暗黙の了承事項になっていた。

加えてディーラー試乗車って本当の意味での市販車。本来のコンディションより悪いケースもある。先日レンタカーしたトールなんか激しいハズレ。そんなクルマで評価されたら困るため、メーカーが本来のコンディションのクルマを試して貰うべくメディア向けの試乗会を行ってきた。でも昨今は自動車メーカー側も「そんなの関係ねぇ」になってます。

いつ、どんな素性のキックスに試乗出来るか解らないけれど、標準よりデキが悪くたって乗ったクルマを厳密に評価するしかありません。真剣勝負&実力判定も面白いと思う。というか私のような野良犬に取っちゃ真剣勝負上等。もちろん良いクルマならしっかり褒めます。ダメなら心置きなく批判する。キックスの仕上がりやいかに。参考までに読者の試乗レポートを以下に。

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乗り心地は大きい凹凸では突き上げがガタンと入って質感を落としています。少し異音も入りました。剛性はそこそこのレベルにとどまる印象。内装はツートーンパッケージで明るい印象ですがシートは座面、バックレストとも小さめ。スピーカーは低コスト品、天井のスイッチ類のタッチはかなりコストダウンを感じる操作感で300万としてはどうかと。全長コンパクトなので後ろのスペースは余裕ありません。ドアートリムは全面ハードプラです。

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